約 525,946 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1688.html
※飼われて愛されているゆっくりがひどいことになります ※人間いじめ的な要素があります 人里に、仲睦まじい飼いゆっくりのつがいと愛でお兄さんの姿があった。 いや、本当に両者の仲は睦まじかったのだろうか? 見る者が見ればその関係は、かわいい愛玩動物に鼻の下を伸ばす青年に、 適当に媚を売り、飯炊き係として利用している醜い畜生、そのように映ったかも知れない。 何しろこのゆっくりども、物を盗む、壊すなどの悪さこそしないものの、 不遜な態度や物言いを繰り返し、飼いゆっくりバッヂを輝かせながら、村人の不快感を煽っていた。 悪さをしないのも、単に村人が自分達に罰を与える口実を作らせたくなかったからである。 その全てを見下したようなニヤケ面に村人は、躾不足だ、癇に障るなどと苦言を呈していたが、 飼い主とくれば、それは人間の被害妄想。動物の挙動をいちいち曲解しすぎだなどと返し、どこ吹く風だった。 確かに、それが犬猫の類であればそういう意見も納得出来る。 しかし奴らはゆっくりだ。人語を解し、人間に極めて近い表情を作る生き物なのだ。 そんな詭弁が通ってなるものか? ここにいる男、平凡な虐待者である鬼意山もそう思っていた。 「ゆっゆっゆっ。まりさがとおるよ!ばかなこどもはどいてね!!」 「ゆっ!おじさん、きたないおようふくだね!そんなものかわいいれいむにみせないでね!!ぷんぷん!!」 今日も村人の顔をしかめさせて回る、飼いゆっくりのまりさとれいむ。 週に何度か、飼い主の若者が仕事に出ている間は自由に散歩させているのだ。 このゆっくり、特別性根がねじ曲がっているわけではない。ありのままの自然な姿だ。 甘やかされて育っているため、自然体でありすぎるというのが難点と言えば難点か。 だがゆっくりに対する躾とは、痛い目に遭わせてそのような性根を矯正することである。 飼い主のお兄さんは、ゆっくりにそのような仕打ちをしたくはなかったのだ。 そのような心優しい人間もいれば、正反対の事を考える人間も世の中には当然いる。 (ああ、虐待したい……己の罪を判らせ、苦痛と絶望の中に叩き込みたい……) 物陰でゆっくりを見守る鬼意山は、心に空いた穴からどす黒いものが噴出すのを感じていた。 人間の庇護下に置かれ、更にはその人間をも見下し王様気分に浸っているド饅頭。 鬼意山ならずとも、村人達も本当はその場で叩き潰したいと思っている。しかし、奴らは飼いゆっくり。 単なる野良饅頭であればどう扱っても構わないが、人の物を壊すということは社会のルールに反する。 鬼意山といえど、そこまで虐待に全てを賭してはいなかった。 大体あんなものをかわいがる、愛でお兄さんも愛でお兄さんだ。 以前彼は愛でお兄さんに「ゆっくりは醜い生き物だ。可愛がるなんてやめて痛い目を見せたほうがいい」と説いたことがあった。 しかし当然というか、愛でお兄さんは呆れ顔で「君みたいな狭量で暴力的な人と一緒にしないでくれ」などと言ってきた。 鬼意山は逆ギレしかけたが、なるほどなるほど、確かに傍から見ればそうかも知れないと自らを戒めた。 だが、腐っていた心がゆっくり虐待によって救済され、彼の仕事面や健康面に多大なる好影響を与えていたのも事実。 彼は虐待に対する義務感、いや一種の恩義のようなものすら感じている変人だった。 だからこそ陰では鬼意山などと標榜し、世間のアウトローを気取っているのだ。 その鬼意山として、あのようなゆっくりを看過していいものだろうか。そんなはずがない。 (このルール、必ず抜け道がある……鬼意山の名にかけて、絶対に見つけ出してみせる!) 彼がその情熱を仕事に傾けていれば、年収が一桁違ったとさえ言われている。 しかし情熱というのは、基本的には転用不可能なものである。 「ゆ~、きょうもおさんぽたのしかったね!!」 「おいしそうなおやさいがいっぱいあったね。こんどたべにいこうね!!」 「だめだよ!!おにいさんがいじめられちゃうよ。そしたられいむたちがゆっくりできなくなるよ!!」 「ゆぅ~・・・ゆっ、おにいさんがごはんをたくさんくれるからがまんするよ!!」 「ゆん!でもきょうはおにいさんかえってくるのおそいね」 「ゆぅ~~・・・」 愛でお兄さんはその日急な残業を言い渡され、いつもより帰宅が遅くなっていた。 飼いゆっくり達の日々の暮らしといえば、おさんぽから帰って来るなりお兄さんにご飯をもらう、 食べたら遊んでもらう、遊んでお腹が減ったらおやつをもらう、おやつを食べたら寝る、 このルーチンワークである。しかしお兄さんのいない今日は、非常に手持ち無沙汰だった。 暇なゆっくりのやることと言えば一つである。 「ね、ねぇれいむぅ・・・おにいさんがいないうちに・・・」 「ゆぅん、まりさったらぁ・・・」 互いに気味悪くしなを作り、ぷにぷにと頬を寄せ合うれいむとまりさ。 「ゆっゆっゆっゆっ・・・」 「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 やがて餅肌のこすれあうすりすりという音は、粘液の絡み合うネチャネチャという音に変わり、 れいむとまりさは顔を激しく上気させ、白目を剥きながらあらゆる体液を垂れ流しにしているようだった。 ゆっくりの醜悪なセックスである。 「んほおおおおぉぉぉぉぉっ!!れいむぅぅぅ!!ずっぎりずるよぉぉぉぉぉ!!」 「ぎてっきてっまりざ!!れいぶにまりざのあがちゃんにんっしんっさせてえええええ!!すっきりー!」 「ぼおおおおおずっぎりーー!!れいぶもういっかいざぜでえええええ」 「いいよまりざあああああぁぁぁ!!いっぱいあかぢゃんづくろうねぇぇぇぇ!!」 この姿を見れば、愛でお兄さんと言えども顔を顰めて愛想を尽かしてしまうかもしれない。 それほどの醜さだったが、運良くというべきか、お兄さんはまだ帰って来なかった。 代わりに、戸外にまで響くその嬌声に聞き耳を立てる変質者が一人。鬼意山である。 ゆっくりが果てたのを確認すると、彼は口元を歪めてその場を立ち去った。 「ただいまー」 「「ゆっくりしていってね!!」」 「まりさにごはんをちょうだいね!!」 「れいむにはおおめにちょうだいね!!」 「はーい、わかりましたよ……っと?」 残業を終えた愛でお兄さんが帰宅すると、そこには愛しの飼いゆっくりがお出迎え。 というより、飯の催促。お兄さんもニコニコ顔でご飯の準備に取り掛かろうとする。 しかし仰天させられたのは、れいむの頭に生えた数本の茎である。 「れいむ、これは一体……?」 「ゆっ!れいむとまりさのかわいいあかちゃんだよ!!」 「おにいさんはこんなにかわいいあかちゃんがみられてしあわせだね!ゆっくりかんしゃしてね!!」 母体が充分な栄養を蓄えているからだろうか、赤ちゃんの形成スピードは速く、 三十匹はいるかという赤ちゃんが今夜中には生まれそうである。茎にぶら下がった赤ちゃんは、寝息を立てながら揺れている。 かわいいれいむたちに優しくしてくれるお兄さんなら、きっと赤ちゃんを見たら大喜びだろう。 そうすればもっと自分達はゆっくりさせてもらえるに違いない。そんな期待を込めてお兄さんの顔を見上げるゆっくり。 しかしお兄さんは、いつも通りのニコニコ顔でありながらも、眉間に皺を寄せていた。 「う、うん! とっても可愛い赤ちゃん達だね。見せてくれてありがとう!」 「でしょ!ゆっくりしたいいこにそだつよ!だからおにーさんもいっぱいごはんちょうだいね!!」 「そうだね。頑張るよ、出来るだけ……」 いつもは自分達とハキハキ会話をしてくれるのに、歯切れの悪い語尾を残し、肩を落として去っていくお兄さん。 れいむは直感していた。このままだと自分達はゆっくり出来なくなる、と。 元々この二匹は、お兄さんの家に勝手に侵入して荒らし回っていたのを、厚意で飼いゆっくりにしてもらったのだ。 だかられいむには、お兄さんの蓄えがあまり多くはないことを予め知っていた。 愛でお兄さんはお人好しゆえ、少し要領が悪い所があり、稼ぎはあまり良い方ではなかったのだ。 この上これほど多くの赤ちゃんが生まれればどうなるだろうか? 取り分が減る―――こういった直感がゆっくりに働くことは稀であり、その点れいむは賢明なゆっくりだった。 晩御飯を食べた後、身重のれいむは遊ぶわけにもいかず、お兄さんも仕事に疲れて寝床についてしまった。 まりさはもっと赤ちゃんを自慢したかったが、お兄さんが寝てしまってはやることが無いので、自分達も寝ることにした。 静まり返った家の中で、赤ちゃんゆっくりの小さな寝息と、れいむとまりさのひそひそ声(ゆっくり基準)が響いた。 「ゆ~ん!れいむ、あさまでにはあかちゃんうまれそうだね!おにーさんをびっくりさせようね!! きっとたくさんあさごはんがもらえるよ!!」 「まりさ、ゆっくりきいてね。ちょっとあかちゃんがおおすぎるよ!」 「ゆゆっ!?れいむなにいってるの?あかちゃんいっぱいいたほうがゆっくりかわいいよ?」 「でもあかちゃんたちにごはんをあげたられいむたちのぶんがなくなるよ!! おにいさんはそんなにいっぱいごはんをもってないよ!これじゃゆっくりできないよ!」 「ゆゆっ!?なんでぞんなごどいうのお゛ぉぉぉぉぉ!!れいぶがあかちゃんいっぱいほじいっでいうがらあぁぁぁぁ!!」 「へんだいのばりざがなんどもすっきりしようとするがらでしょおおぉぉぉぉぉ!!」 ついつい大声で口論する二匹だが、お兄さんが「う~ん」と言いながら寝返りを打ったのを見ると、 びくりと全身を震わせ、再び家の中は水を打ったように静まり返った。 「ゆ・・・わかったよれいむ。でもどうするの?」 「ゆっくりきいてね。おにいさんがおきてくるまえに、あかちゃんをすこしすてようね」 「ゆ゛っ!?」 「こんなにいっぱいいたらすこしぐらいへってもきづかれないよ。ゆっくりりかいしてね」 それはれいむの餡子脳では四以上の数字を数えられないというだけのことだったが、 人間にも当然のごとくそれを当てはめてしまう辺りも餡子脳たる所以である。 「ゆっ!れいむはあたまいいね!!」 「はやくしないとみんなうまれちゃうよ。ゆっくりすてにいこうね」 二匹はお兄さんが作ってくれたゆっくり用の出入り口から外に出て、 お家から離れた原っぱへと向かった。 ここに捨てられた赤ちゃんゆっくりは、自力では帰って来れまい。野犬やれみりゃに食べられるかも知れない。 赤ちゃんたちの身体はもうほとんど出来上がっていると言ってよく、すぐに切り離しても元気に動き出すことだろう。 「れいむ、あたまをゆっくりさげてね!」 「ゆっ」 れいむが顔を丸めるようにして頭の茎を下に降ろす。まりさは赤ちゃんの中でも特に大きく、 よくごはんを食べそうな子を選ぶと、起こさないように優しく口に含み、茎からぷちりと切り離した。 「ゆっ」と小さく呻いたものの、まだゆっくり寝ていたいのか、地面に下ろしても目覚める気配は無かった。 「だいじょうぶそうだね!」 「このちょうしでいくよ!!」 一匹切り離す度に、自分の食べられるごはんが増える。そう考えるとまりさは、ついつい多めに赤ちゃんを捨ててしまった。 れいむも頭の茎が軽くなるたびに、増えていく自分のごはんを想像して口によだれが溢れてきた。 どちらにせよ今まで食べていた量よりは少なくなるだろうに、不思議な話である。 結局引き揚げる頃には、半分近い赤ちゃんゆっくりがその場に捨てられていた。 「ゆん!これだけすてればだいじょうぶだよ!」 「あしたはのこったあかちゃんとゆっくりしようね!!」 「おにいさんにおいわいぱーてぃーをひらいてもらおうね!!」 「あかちゃんがへったから、まりさたちがおなかいっぱいになれるね!ゆっくりできるよ!」 仕事を終えた二匹は、軽い足取りでお家へと帰っていく。 野ざらしになった捨て子のゆっくりたちは、親達の凶行に気付く様子もなくすやすやと寝ている。 「クク……ククキキキケケケケ……」 そこに近付く影が一つ。鬼意山であった。 彼が最近、一体いつ寝ているのか? それは誰も知らない。 「う~ん……もう朝かぁ」 「「さん、はい!!」」 「「「「「しぇーの、ゆっくちちていっちぇね!!」」」」」 「うわっ、何だい!?」 起床した愛でお兄さんを待っていたのは、いつもよりも多く甲高い声。 誕生した赤ちゃんゆっくり達が、笑顔でお兄さんを取り囲んでいた。 「れいむのあかちゃんたちがうまれたよ!!」 「ゆゆん!ゆっくりかわいいでしょ!!」 「「「「おにーしゃん、かわいいれいむ(まりさ)たちとゆっきゅりちてね!!」」」」 「あはは、皆よろしく! ゆっくりしていってね!」 昨晩はつい家計の心配をしてしまったが、可愛い赤ちゃんたちを目の当たりにすると思わず頬が緩む。 赤ちゃんたちの分も自分が頑張れば良いんだ。そんな気持ちで仕事に臨めそうだった。 親ゆっくりが自分で餌を取りに行けば良い話なのだが、れいむとまりさには元より、お兄さんにもそんな発想は無かった。 一通り破顔したところで、ん、とお兄さんは首を傾げる。 「れいむ、昨日見た時より赤ちゃんが少なくないかい? まだ他にもいるのかな?」 「ゆっ?もとからこれしかいないよ!!」 「お、おにーさんあかちゃんのかずもかぞえられないの?ばかなの?」 「うーん、そっか。疲れて見間違えたかな? まあいいや。よおし、お祝いに朝ご飯は豪勢に行くか!」 「「「「「ゆゆ~~~ん!!!」」」」」 何とか誤魔化し通せた親れいむと親まりさは、内心ホッとしながらお兄さんの作ったごはんをぐちゃぐちゃと平らげた。 昨晩、もう少しお兄さんに赤ちゃんを自慢していたら危なかったかもしれない。怪我の功名というやつだ。 その後、赤ちゃんのお披露目にゆっくりみんなで散歩に出かけた。村人達の訝しげな視線はかわいい赤ちゃんに釘付けだった。 その日の午後には、お兄さんが店で買って来たバッヂが赤ちゃん全員の髪飾りに付けられていった。 「ゆ~~ん・・・ゆ?ゆっきゅりちていってにぇ!」 「ゆっくちゆっくち!」 「ゆ?おかーしゃん?おとーしゃん?」 「ゆゆ・・・ここどこにゃのおぉぉぉぉ!!」 「「「「ゆあぁぁぁぁぁん!!」」」」 捨てられた赤ちゃんゆっくり達は、どことも知れない薄暗い場所で目を覚ました。 茎で寝ている時、自分達に餡子を送り込んでくれていたお母さんの姿は無い。 頼れるもののいない恐怖に、泣き出す赤ちゃんたち。 と、突然辺りが明るくなる。 赤ちゃんたちがいたそこは、簡素な木箱のようなものの中だった。 ゆっくりの跳躍力では超えられないほどの壁が四方にそびえていたが、広さは赤ちゃんが暮らすには充分だ。 わけのわからない状況に戸惑っている赤ゆっくりたちに、一つの声が聞こえてきた。 「みんな、ゆっくりしていってね!」 「「「「ゆ?ゆっくちちていってにぇ!!」」」」 姿は見えないが、生まれて初めて聞く声。 ゆっくりの声では無いようだが、その柔和な響きに、赤ちゃんたちは束の間の安心感を得られた。 「僕は君たちのお母さんに頼まれて、しばらくお世話をさせてもらうことになったんだ。 この中に居ればいっぱいゆっくり出来るから、泣かないで安心してね!」 「ゆゆ!ゆっくちできゆの?」 「おにーしゃん、まりしゃおなかがしゅいたよ!!」 「れいみゅもおにゃかすいたー!!」 「ごはんをたべさせてね!!」 「ちょっと待ってね、いまごはんを中に入れるよ!」 声がそう言うと、箱の壁に穴が開き、さっとお皿が差し入れられた。 その上に載っているのは大量の餡子。普通の赤ゆっくりが生まれて最初に食べるのは、 親の餡子が詰まった茎なので、相応しい食事と言えた。 「ゆゆっ!いいにおいがしゅるよ!!」 「まりしゃこんにゃにたべられないよ~!」 「れいみゅもいっぱいたべゆよ!」 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせ~!!」 「あまあま~♪ とってもおいちいよ!」 「とってもゆっくちできるよ!!おにーしゃんありがちょう!!」 お腹がいっぱいになった赤ちゃんたちは、箱の中で飛びはねて遊び始めた。 よく見れば箱の中には、そろばんやスーパーボールなど、楽しそうなおもちゃがいくつもある。 それらでゆっくり遊んでお腹が空くと、またご飯の乗ったお皿がすっと差し入れられる。 夜になって疲れて来ると、明かりが消えて眠りやすい暗さになる。 自分達のお世話をしている人物の姿は全く見えなかったが、赤ちゃんゆっくり達は、 それはきっと自分達をゆっくりさせるために現れた神さまのような存在なのだろう。そう思いながら眠りについていた。 二週間後、お兄さんの家に生まれた赤ちゃんゆっくり達もソフトボール程度の大きさに成長し、 子ゆっくりと言えるほどの大きさになっていた。 赤ちゃんの為にお兄さんが発起したこともあり、稼ぎは若干増え、何とかみんなで毎日満腹になれていた。 お昼の散歩をする一家の姦しいことは、公害レベルに近付いていた。 ものの分別が付かない子ゆっくり達は、人の野菜や花壇のお花を勝手に食べたりして怒られていたが、 その度に親まりさや親れいむが出て行って、「あかちゃんのやったことだよ?ばかなの?」などと仲裁していた。 「ゆゆっ!かわいいあかちゃんをつくってほんとうによかったね!!」 「おにーさんのごはんもまえよりおいしくなったよ!」 「これからもずっとゆっくりできそうだよ!」 「「「「おかーさん、おとーさん、いっしょにずっとゆっくりしようね!!」」」」 「おにーさんもいっしょにゆっくりさせてあげるね!!」 そんな風に寄り添うゆっくりの家族を、愛でお兄さんは微笑ましいといった表情で眺めていた。 たまに悪戯のとばっちりで自分が叱られることもあったが、この笑顔を見るためなら安いものだと思った。 赤ちゃんの為に仕事も頑張れるようになったし、おいしいごはんを出す為に料理も上手くなった。 趣味を持たない彼だったが、ゆっくり達のおかげで人生が充足していくのを感じていた。 ある日の夕方、おさんぽから帰って来たゆっくり一家に、いつものようにごはんを出すお兄さん。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!」 「はふっはふ、うっめ!これめっちゃうっめ!!」 「ぐっちゃぐっちゃ」 「おいしくてゆっくりできるよ!!」 「ゆーん、もっとたべたいよ!!」 べちゃべちゃと下品に食べ散らかす家族だったが、お兄さんはむしろその自然で奔放な有り様が好きだった。 ニコニコしながら眺めていると、何かの違和感に気付く。 はて、子ゆっくりの数が少し多いような? 確かれいむとまりさは同数だった気がするが…… そう思って数え直してみる。しかし違和感とは裏腹に、思っていた通りれいむとまりさは同数だった。 ふむ、見間違いか。これだけ元気なのが沢山いると、目で追うのも大変だもんなあ。 そう切り上げ、お兄さんは読書をするため自室に戻っていった。 「おかーさん!むしさんつかまえたよ!」 「ゆゆっ!いいこだね!おかあさんはおなかすいてるからたべさせてね!!」 その時、一匹の子まりさが物陰から虫をくわえて飛び出してきたことには気付かなかった。 次のおさんぽの日。晴れ渡る空の下、まりさはお気に入りの石段の上でゆっくり日向ぼっこをしていた。 まりさがそこを占領している間、村人はそこを避けて通る。道にしゃがみこんでるヤンキーみたいな邪魔さだった。 目を細めてうとうとしていると、一匹の子れいむが擦り寄ってくる。 「ゆゆ~ん!」 「ゆ~・・・?どうかしたの、れいむ・・・?」 寝ぼけ眼に、その子れいむはあまり見覚えの無い顔のような気がした。 といっても、ゆっくりの顔なんてどれも似たようなものなのだが。 しかし髪飾りについたバッヂですぐに自分の子供だと解った。 自分の子供の顔も覚えきれないなんて……ちょっと子供を作りすぎたのだろうか。 まあ、いっぱいいるに越したことはないよね。親まりさはそう思考を停止させた。 「おかーさん、れいむはうまれてきてしあわせだよ!!」 「ゆん・・・まりさもかわいいこどもがいてゆっくりしあわせだよぉ・・・」 「ゆっゆっ・・・おかーさん、ずーっといっしょにゆっくりしようね!!」 「そうだねぇ、ゆっくりしようねぇ・・・」 そのまましばらくぬくぬくと寄り添っていたが、日が暮れて石段が冷えて来たので、一緒にお家に帰ることにした。 それから一週間の間に、三回ほどおさんぽに出かけた。 そして晩御飯の時間を迎えるたびに、ゆっくり一家には不満が増していくのだった。 「おかーさん、れいむまだごはんたべたいよ!」 「ゆー、おなかすいたよ!これじゃゆっくりできないよ!!」 「おにーさん、ぜんぜんごはんがたりないよ!!もっとたくさんたべさせてね!!ぷんぷん!!」 「おにーさんはかわいいれいむたちをおなかいっぱいにするぎむがあるよ!!」 「あれ? 足りなかった? ごめんごめん、今作り足すよ」 身体を膨らませて怒りを表現するゆっくり達。ごはんが足りないというのだ。 お兄さんとしても、馬鹿にならない食費、きっちり量は計算して出していたつもりだったのだが、 おさんぽに出て身体をいっぱい動かしていたせいか、子供達の成長が思ったより速かったと見えた。 多少収入は増えたとはいえ、その分食い扶持も増えているので家計は苦しい。 しかし今や人生の希望となったゆっくりたちを飢えさせるわけにもいかない。 苦労して世話をした分だけ、ゆっくりは素敵な笑顔を返してくれる。悲しむ顔は見たくない。 仕方なく、お兄さんは収入が増えるまで自分の食費を切り詰め、身の回りのものも少し処分することにした。 子ゆっくりがこっそり遊んでいた大好きなサイコロなどのおもちゃも、いつの間にか売られていた。 「ただいまぁ~……」 「ゆっ!おにいさん、ゆっくりしていってね!!」 「ごはんをちょうだいね!」 「まりさとあそんでね!!」 「う、うん、ちょっと待っててね。今ごはん作るから……」 更に一週間も経つと、子供達が大きくなったためか家は手狭になってゆき、要求されるごはんの量も更に増してきた。 お兄さんはどんどん残業を増やし、少しでも給料の足しにしようとしていた。 帰って来れば疲れ果て、手の込んだ料理を作る気力も無ければ、ゆっくりたちと遊ぶ体力も無い。 急に遊んでくれなくなったお兄さんにゆっくり一家は不満顔だったが、 すぐに家族同士で楽しそうに遊び始め、それを見たお兄さんも安心して眠りにつくことが出来た。 自分が少しぐらい苦労しても、ゆっくり達がゆっくりすることが出来れば…… 眠りの時間は瞬く間に過ぎ、また早朝からお兄さんはふらふらと仕事に出かけるのだった。 ある雨の日。大好きなおさんぽにも出られず、お兄さん家の中で跳ね回って遊ぶゆっくり一家。 何だか狭苦しく、密度の高さから蒸し蒸しと暑くなってくる。 朝ご飯も何だか物足りなく、膨れないお腹が未だにきゅるきゅると言っている。 生まれた時こそ小さくてかわいい赤ちゃんだったが、大きくなった今では、親まりさには邪魔だとすら感じられていた。 自分で食べ物をやって育てたわけでもない子供達に対するゆっくりの母性本能など、その程度のものだった。 そんな親の気持ちを知る由もなく、狭い家でも伸び伸びと遊ぶ子ゆっくりたち。 大きくなった体があちこちにぶつかり、色々なものが倒れたり破けたりした。 しかし子ゆっくりたちは、生まれてからほとんど叱られたことがないのだ。それが悪いことなどとは思わない。 「ゆ、ちょっとこどもをつくりすぎたね・・・」 「れいむ!これじゃぜんぜんゆっくりできないよ!!」 「ゆ!?まりさがあかちゃんつくろうっていったんでしょ!ぷんぷん!」 「ゆぐぐ・・・でもどうせならもっとあかちゃんをすてておくべきだったね・・・」 「そうだね・・・」 子供達が聞いたら「どぼじでぞんなごどいうのおぉぉぉぉ!!?」と泣き叫ぶこと必至な会話をする親二匹。 ふと、れいむが「ゆ?」と首を傾げ、何か違和感の正体に思い当たったような顔をしていた。 「ゆ・・・ねぇまりさ、なんだかこどもたちがおおいよ!」 「そんなことわかってるよ!いまはなしたばっかりでしょ!ばかなの?」 「ちがうよ!あたまがいいれいむはゆっくりきづいたよ!さいしょのころよりふえてるよ!!」 「ゆ!?なんでえぇぇぇ!?」 訳が解らないといった顔で部屋を見回す親まりさ。しかし沢山の子ゆっくりたちが跳ね回っており、 四匹目のゆっくりを見たら一匹目を忘れる程度のまりさの脳では、とても数など数え切れなかった。 しかし確かに多いような……そんな気もしていた。 「みんな!!ゆっくりあそぶのやめてね!!」 「「「「「ゆ?」」」」」 「おかあさんたちのまえにゆっくりならんでね!」 親れいむは部屋中に響き渡る大声で号令をかける。子ゆっくり達は、渋々遊ぶのをやめて集まってくる。 「どうしたの?おかーさん」 「ゆっくりおいしいものくれるの?」 「おさんぽいくのー?」 「ちがうよ!ゆっくりきれいにならんでね!!」 まりさ種を一列、れいむ種を一列に並べ、「ゆっ、ゆっ、ゆっ・・・」と横から順々に数えていく親れいむ。 そして最後まで数え終わった時「ゆゆっ!」と驚愕を露にする。 「なんだかこどもたちがすごくおおいよ!!」 「なんでちゃんどかぞえられないのおぉぉぉぉ!!れいぶのばがああぁぁぁぁ!!」 頭に疑問符を浮かべる子供達。このバカ親達が何をやっているのか解らない。 しかし子供が増えているような気がするという得体の知れない不安に囚われている親達にとって、 子供の数を正確に数えられないというのは何よりもどかしく、恐怖なのであった。 子供が増えれば、自分の分のごはんが減る。原因が解らなければ、ごはんの減少に歯止めはかからないのだ。 早々に限界を迎えたれいむの餡子脳はオーバーヒート寸前だった。 そもそも、気付くのが遅すぎたのだ。子ゆっくりの数は既に最初の二倍近くなっていたのだから。 とはいえ愛でお兄さんとて、仕事に追われていたとはいえ、じわじわと巧妙に追加されていく子ゆっくりには気付けなかった。 それもどうかとは思えど、餡子脳に気付くことが出来なくても仕方がないのかも知れない。 「ゆゆ?おかーさんおねーちゃんたちなにしてるの?ゆっくりできるあそび?」 「ゆ゛っ!?まだふえだあああああぁぁぁ!!!」 部屋の隅から一匹の子れいむが這い出てくる。単にかくれんぼをしていて、呼び出しの時に出て来損ねただけなのだが、 半狂乱の親れいむは、どこからともなく沸いて出たゆっくりが自分のごはんを奪いに来たという妄想に囚われ、 現れた子れいむに駆け寄っていき、渾身の体当たりをぶちかましていた。 「ゆ゛べっ!?ゆぎゃっ!おっ、おがっ!!」 「なんでふえ゛るの゛おぉぉぉぉぉ!!これいじょうれいむのごはんたべないでえぇぇぇ!!!」 激しい体当たりを繰り返す親れいむ。子れいむが何度も壁に打ち付けられ、全身の傷から餡子が漏れ出す。 徐々に物言わぬ餡塊と化していく子ゆっくりから、甘い匂いが漂い出した。 「ゆっ?あまあまのにおいがするよ!!」 「おやつだね!!ゆっくりたべるよ!!」 「ゆっくりおなかすいたよ!!」 何匹かの子ゆっくり姉妹が列を抜け出し、周囲に飛び散った子れいむの餡子を食べ始める。 親れいむの暴行が陰になっていて見えなかったため、それが姉妹の死骸だなどとは気付かない。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」と言いながら、涙を流して喜びに咽んでいる。 この姉妹達もまた、お腹が空いていたのだろう。 しかしふと我に返った親れいむは、その状況を見てまたも狂乱していた。 「ゆゆっ!?れいむたちなにやっでるの゛お゛おおおおぉぉ!! な゛んでかぞぐをたべちゃう゛のおおぉぉぉぉ!!!おねえざんでじょおぉぉぉぉ!!?」 「「「「ゆゆうぅぅぅぅぅぅぅぅ!?」」」」 自分で潰しといて何をという感じだが、親れいむは激怒して家族食いの子供達を叱責する。 その様を見ていた親まりさは、何か閃いたように頭上に電球を光らせた。 「いいことかんがえたよ!」 「ゆっ?なあにまりさ?いいことって?」 「おかーしゃん、いいことってなあに?れいむもゆっくちちたい!」 親まりさの隣にいるのは、姉妹でも一番小さい末っ子の子れいむ。 親まりさはそのれいむを笑顔で一瞥すると、軽くジャンプしてプチッと踏み潰した。 平然と家族を殺した夫の姿に、またもや親れいむ大混乱。 「ゆ゛うぅぅぅぅぅ!?まりざなんであがぢゃんごろずのおぉぉぉぉぉ!!?」 「こうして・・・」 そしてぺちゃんこの死体になった子れいむをぺろりと口に入れると、 むーしゃむーしゃとやって飲み込んでしまった。その双眸は据わっていた。 そして唄うように宣言する。 「いらないこをごはんにすれば、おうちはひろくなるしおなかもふくれるよ!!」 「ゆ!?・・・・ゆ、そうだね!!」 「「「「「ゆ゛う゛ぅぅぅぅぅう!!!?なんでおがあざんだぢぞんなごどいうの゛お゛おぉぉぉぉぉ!!?」」」」」 「うるさいよ!おまえたちのおかげでおかあさんたちのごはんがへっちゃったんだよ! いつのまにかふえてるこどもなんてかわいくないよ!どんどんたべてへらすよ!!」 「「「「「い゛ぎゃああああああああ!!!」」」」」 子供が知らないうちに増えていく、ごはんが日に日に減っていく恐怖、そしてこの狭苦しさによる蒸し暑さと酸欠。 小さな要因がいくつも重なり、親れいむと親まりさの脆弱な精神は破綻をきたしていた。 増えすぎたゆっくりの群れが破綻して始まるものといえば、殺戮である。 「い゛ぎいぃぃぃぃぃ!!おがあざ、つぶっ、ざっ、にゃびっ、ぎぇ、びゅっ」 「ゆ゛あ゛あああぁぁぁぁぁぁぁん!!!!ゆ゛あ゛あああぁぁぁぶぎゅ」 「あああああああこのれいむをつぶしていいからまりさはだずげでねぇ!!まりさはたすけてねまりさはたすけたすびょ」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 「どぼじでごんなごどにいいいいいぃぃぃぃ!!」 「じねえ゛えええぇぇぇ!!ごどもをだべるわるいおやはゆっぐりじないでじねぇぇぇぇえ!!!」 「おにいじゃああああああんん!!!ひどいおや゛をゆっぐりごろじでねぇぇぇぇじょび!」 「おねえちゃんおいしい!!」 「さすがまりさのこどもだね!とってもあまくておいしいよ!!」 充満する餡子の匂いに刺激されたのか、姉妹同士でも食い合いが始まっていた。 最後に残るゆっくりは何匹になるのだろうか。親しか残らないかもしれない。四匹ぐらいは残って欲しいなあ。 そんなことを考えながらその男、鬼意山は小窓から家の中を覗きながら、餡子の匂いを嗅いでいた。覗きは犯罪である。 何故子供が増えたのか? とても簡単なことである。 最初に親達に捨てられた赤ちゃんたちを男がこっそり回収し、育てていた。 そしておさんぽに出てくる一家を観察し、同じタイプの飼いゆっくりバッヂを購入して拾った赤ちゃんに取り付けた。 おさんぽの最中、子ゆっくり達は親から離れて遊んでいることも多かったので、 適当なところまで育った捨て子ゆっくりを、そこに一匹ずつ紛れ込ませていったのだ。 何度か親ゆっくりの姿を見せたり、子ゆっくり達とさりげなく遊ばせたりするなど、 自然に家族に溶け込める為の教育は万全にしていた。 元々が同じ茎で育った姉妹達だったので、馴染むのは早かったようだ。 子ゆっくりの成長時期に合わせて送り込んでいったので、多少部屋が狭くなっても子供が成長したからだとしか思えず、 ただでさえ多いゆっくり数に一匹プラスされている、などとは気づき難いようになっていた。 そして更に、狭い村社会だ。愛でお兄さんの収入状況などすぐにわかってしまう。 なかなか頑張っているようだったが、二倍にも膨れ上がった家族を養い切れるわけもなく、 浅ましいゆっくりどもは遠からず痺れを切らすだろうと思っていた。そしてこのざまである。 ゆっくりの家族を奪うのは、ルール違反……ならば逆に増やすのはどうか? そんな鬼意山の発想から考えられた、これは実験であった。 増やすと言っても、居るべき場所に戻しただけという認識だったが。 自分のしたことを正直に愛でお兄さんに話しても、まあ良い顔はしないだろうが……強く非難も出来ないだろう。 思えば自分が虐待に目覚めたのも、飼っていたゆっくりのおぞましい姿を見せ付けられ、幻滅したからだった。 愛でお兄さんも同じ道を辿るだろうか? それともこれに懲りずにゆっくりを愛し続けるのだろうか? どちらにせよ、強く生きて欲しいものだ…… 今までのように、ゆっくりなんかに振り回されないぐらいに強く。 餡子塗れになった部屋の中を一瞥すると、鬼意山はそのまま森の中へ去っていった。新たな虐待対象を探しに……。 「はっ、はっ、はっ、はっ……」 雨にぬかるんだ道を、傘を差した愛でお兄さんが小走りに駆ける。 その顔には、久々に心の底からわきあがってくる笑みが浮かんでいる。 最近の頑張りが認められ、今日昇給を言い渡されたのだ。 これで残業を減らし、ゆっくり達と遊んでやれる時間が増える。 更に、小脇に抱えた包みの中には職場でもらった麩菓子の詰め合わせ。 自分で食べてみたところ非常に甘くておいしく、是非ゆっくりたちにも食べてほしいと思った。 最近、おやつをあげられてなかったからな。久しぶりに甘いお菓子を食べてもらい、 幸せそうな笑顔を見せてもらいたい。あれだけの子供がいれば、きっと幸せも何十倍だろう。 そんな光景を想像しただけで、ついつい目じりが下がってしまう。 朝ご飯もろくろく作ってやれなかったから、お腹が空いてるかもしれないな。 早く帰って、一緒にゆっくりしてやろう。じきに雨も上がる。 ―了― このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5116.html
「「「ゆっくりしていってね!」」」 ドアを開けるとそこには毎度お馴染みのセリフを吐いたゆっくりれいむとまりさの家族が居た、 ―――居間の家具という家具全てを荒らして 「・・・・・・」 余りの惨状に言葉を失い、その場に立ち尽くしてしまった それから何分位経ったろう、足元の饅頭が 「ここはれーむたちのうちだよ!ゆっくりでてってね!」 「ゆっくりできないおじさんはたべものをおいてゆっくりでてくんだぜ!」 などと罵声を浴びせながら俺の脚に体当たりをしている だが、たかが饅頭程度がぶつかってきたところでマッサージにもなりやしない 場違いにもそんなのんきな事が頭の中をよぎった、そしてそれと同時にあるものに気がついた 2年間大切に育ててきたオオクワガタ、いやオオクワガタだったものの頭部がそこに転がっていることに 「!!!!」 我に返り足元の饅頭共を蹴飛ばして駆け寄ると、無残にもオオクワは頭部を残して食い散らかされている。 周りには土が散乱しているので、たぶんこいつらが飼育ケースをひっくり返したのだろう。 しばらくすると背中に少し衝撃を感じた。 また饅頭共が体当たりを始めたようだ、しまいには 「まりさをけとばすなんてゆっくりできないおじさんだぜ!ゆっくりしぬんだぜ!」 「れーむたちをおこらせるなんてばかなおじさんだね!ゆっくりしね!」 ときやがる 普通の人ならばここで全てのゆっくりを踏み潰すだろうが・・・残念ながら俺にそれはできない・・・ なぜなら俺は「虐待お兄さん」だからだ!!ゆっくりをそんなに優しく殺すつもりなど毛頭ない!!! 「ゆ!そろそろおじさんをたおせそうだぜ!」 とかほざいてる子まりさを一匹つまみ上げ・・・・ 「ゆ!おそらをとんでるみた」 思いっきり床に叩き付けてやった 「ゆぶびゅうううううううう!!??」 「おお、まだ生きてたかぁ、力加減間違えたかねーこりゃ」 と言ってもすでに餡子が漏れ出して虫の息だ その一部始終を見ていた母れいむは子まりさにかけより 「れいむのこどぼがあああああああ!!!どうじてこんなことするのおおおお!?」 「あれぇ?母親のクセにそんな事も分からないのぉ?・・・じゃあ子供に聞いてみようか♪」 母れいむを蹴り飛ばし、俺に体当たりをかましていたもう一匹の子れいむをつまみ上げる 「ゆ・・・ゆ・・ゆっくりしていってね!」 声が震えている。俺は笑顔で答えてやった 「さて・・・君たちはここで何をしてたのかな・・・?」 「そんなことよりれいむをはなしt・・・ぷぎいいいいいいいぃ!!!??」 俺の指が子れいむの体に食い込んだ、もちろん死なせない 「もう一度聞こうか・・・ここで何をしてたのかな?」 「ひゅっ・・みんなで、ひゅ、ゆっくりしてたよ・・」 見りゃ分かる 「ところであそこにいる虫さんは君たちが食べたのかな?」 オオクワガタの残骸を指差してみせる 「ゆっ!れーむたちでむーしゃむーしゃしたよ!とってもゆっくりしたあじだったよ!」 なるほど、一匹では勝てないと悟り大勢で仕留めたんだな、 それにしてもこの野郎さっきのは演技か 「そーかそーか、でもあれお兄さんの育てた虫なんだよねー」 「ゆっ!ちがうよ!あれはれーむたちがみつけたむしさんだよ!おじさんばかなの?しぬの?」 ああ、もうさっきまでされてたこと忘れたのか、さすが饅頭 だがまだ聞くことがある 「それよりれいむ達の家族は何人家族かな?」 「ぜんぶでにじゅうくらいいるよ!!みんなゆっくりしてるよ!!」 ここにはいるゆっくりはせいぜい5・6匹、明らかに人数が合わない てことは何匹か他の部屋にいるな。 それにしても二十匹とは・・・虐めがいがある。 「よし!君たちの家族はとてもゆっくりしてるからお兄さんが特別に遊んでやろう!」 そう言うとゆっくり達は目を輝かせながらこちらを向いた 「ゆ!ほんとうなんだぜ!?」 「ああ、本当さ。でも遊ぶ前にご飯を食べないと、虫さんだけじゃ足りないだろ?だから他の子達も呼んで来てくれるかな?」 俺は母れいむに向かってそう言った すると母れいむは目を輝かせて 「ゆゆっ!!わかったよ!ゆっくりごはんをよういしてね!!!」 と言った おお、キモいキモい ていうか本当に忘れてんだな、俺がやったこと 「ゆ!れーむもよびにいくよ!おじさんおろしてね!」 指の食い込んでいる子れいむが言った 「いやいや、君にもう一つ言いたいことがあってね」 「ゆ?」 ちなみに他のゆっくりたちはもうこの部屋からいなくなっている 「どーしたのおじさん!!はやくしてね!!!」 「俺はまだ20代だあああああ!!!」 俺の指が更に食い込む 「ゆびゃああああああぁぁあっがぁっ・・!もっ・・ど・・ゆっく・・りじ」 「言わせるかぁ!!」 子れいむが言うより先に俺は指に力を込め子れいむを握り潰した 「フウッフ~♪すっきりー!!!」 ちなみに今のは俺である 「いやぁ~、ゆっくり虐待はやっぱ最高だな~、心が若返る!!」 そう言いながら厨房に向かう途中、最初に虐待した子まりさが転がっているのを見つけた 「ゆっ・・ゆっ・・・おにいさんたすけてぇ・・・」 「ああ、お前いたのか!それにしてもお兄さんなんて嬉しいなあ、じゃあお礼に助けてあげよう!」 思いっきり踏み潰してやった このゆっくりの断末魔が聞けなかったのが少し残念だがまあそれは気にしないことにする 「なぜならこれからゆっくり達と遊ぶんだからな・・・先に逝けたお前らはラッキーかもしれんぜ?」 俺はそう言うと潰したゆっくりを回収し、料理を始めた ――15分後―― 「おじさんおそいんだぜ!!」 「れーむたちをまたせないでね!!」 おお、本当にこりゃ二十匹位いるなぁ 親れいむと親まりさが1匹ずつ、子れいむが6匹、子まりさが4匹、赤れいむと赤まりさが3匹ずつといったところか 「いやー待たせてごめんねー、はいどうぞ」 俺が出したのはチャーハン、スープ、エビチリと野生のゆっくり達なら一生お目にかかれない中華料理のフルコース 毎日木の実や虫しか食べていないゆっくり達は我先にと料理に飛び掛った 「うっめ!!めっちゃうっめ!!」 「むーしゃ、むーしゃ!ちあわちぇー!!」 あーあ、テーブル汚しちゃって、誰が掃除すると思ってんだ それにしてもあの体によくこの量入るなー・・・おっと、もう完食しやがった 「これでしばりゃくゆっくちできりゅね!」 今のは赤れいむだ 残念、しばらくしたらゆっくりできなくなるんだよ 「おじさん!もっとくれなんだぜ!!」 図々しい奴だ、子供がいなくなったことはどうでもいいのか。 どっちにしろまた餌を与えるつもりはない こんな豪華な料理をゆっくり達に食わせたのは全て次のセリフの為だ 「じゃあおじさんに〝かくれんぼ〟で勝ったゆっくりには毎日今食べたようなご馳走をあげよう」 一瞬で饅頭共の36個の目がこちらを向く そして俺は更に続けた 「しかも君達専用のゆっくりぷれいすを差し上げよう!どうだい?」 ゆっくりという言葉に反応し饅頭共は騒ぎ始めた 「ゆゆゆ!ぜったいおじさんにかってみせるよ!」 「まりさがかってまいにちゆっくりするんだぜ!!」 「ゆゆ~♪みんなでゆっくりするよ~」 よし、そろそろ頃合だな 「でも!お兄さんに負けたゆっくりは・・・ゆっくりできなくします」 一瞬饅頭たちが凍りついた ゆっくりできなくする―――それはゆっくりする為に生きるゆっくり達にとって最も恐れていることだ だが一匹の子れいむは言った 「ゆ!だいじょうぶだよ!れーむたちはにんげんなんかにまけないよ!」 すると次々とゆっくり達がそのゆっくりに集まり始めた。両親のゆっくりが制止したにも関わらず 結局両親ゆっくり達もこのかくれんぼに参加することにしたようだ 「じゃあ決まったみたいだね!」 「ゆっふっふ!いつでもいいよおじさん!!」 「ぜんいんでおじさんにかってまいにちゆっくりするよ!」 ほう、余裕たっぷりといったところか 野生のゆっくりは人間の恐ろしさを知らない、だから好きなんだけどね!!! 「じゃあルールを説明しようか」 「ゆっくりはやくしてね!!」 どっちだよ、と心の中でつぶやきながら続ける 「まずは5分数えるからその間に君達が隠れて、それから3時間経つまでにおじさんが君達を探し出し見つけたゆっくりを片っ端からゆっくりできなくするよ、理解したかな?」 「ゆっくりりかいしたよ!!」 怪しいもんだ、まあせいぜい今の内にゆっくりしてな 「じゃあ始めるよー・・・・」 ゆっくり達はいかにも自信満々って顔だ、俺に見つかった時はどんな顔すんのかねくっくっく・・・ 「スタートッ!!!」 素早く後ろを向いて俺は目覚まし時計を3時間5分後にセットする! あとは待つだけ・・・・ん? 「・・・ここにかくれればみつかんないよ・・・」 「・・・れーむはあたまがいいんだぜ・・・」 おっとっと、これじゃ不公平だね。そういうと俺は目を閉じ耳にティッシュを詰めた そしてあっという間に5分、虐待お兄さん出撃! 「よーしいっくぞー!」 この瞬間だけは童心に帰れる、いやー楽しっ! 「まずは俺の部屋からかな!」 ―――二階 自室――― やっぱりそこも荒らされていた、雑誌はやぶかれ、ごみ箱は漁られ、ハムスターの餌が入った袋もひっくり返してある だが俺は気にしない、なぜなら記念すべきかくれんぼで最初の犠牲者を見つけたからだ だが直ぐには殺さない 「うーんゆっくりたちはかくれるのがうまいなあぜんぜんみつからないよー(棒読み)」 布団が小刻みに震えている、笑っているんだろう 「ここにもいないんじゃーゆっくりはもういないなーほかへいこう(棒読み)」 バタンッ 「・・・やったぜれーむ!」 「にんげんたらほんとにばかだねー、ゆっゆっゆ!!」 「これでまりさたちはまいにちゆっくりできるぜ!ゆっくっく」 布団の中に隠れていたのは子れいむと子まりさの2匹、余程嬉しいんだろう笑いっぱなしだ その会話の様子を虐待お兄さんは扉越しで聞いていた 「はあはあ・・・れ・・れいむっ・・・!」 「まりさぁぁぁ!!」 !この饅頭どもあろうことか人の布団で交尾してやがる! まあ全部想定済みだけどね♪あんな狭いところでくっついて笑ったりしちゃあそうなるわなwww 「れ・・・れいむううううすっぎりずるよおおおおお!!」 今だ!! バタンッ!! 「そーいえばこのへやにわすれものしちゃったなー!!(棒読み)」 「!!」 子れいむと子まりさは驚きで交尾を中断させられた、よりによって絶頂寸前で 「いやーやっぱりわすれてなかったなーほかのへやにいこー(棒読み)」 バタンッ 俺が出て行くのを確認すると、二匹は再び交尾を始めた 「さっぎはじゃまされぢゃったけどごんどはすっぎりさぜるよおおお!」 「いいよおおおばりざあああああ!!」 ほう、無理矢理中断したせいで今度は絶頂が早いようだ だが・・・させん!! バタンッ 「いやーやっぱりわすれものしてたかもお(棒読み)」 「ゆぐっ・・・・!?」 そう・・・これぞ必殺「絶頂寸止め」!! 何度も絶頂を妨げられたゆっくりにとってはたまったもんじゃないだろう!! だからといってすっきりしたらゆっくりできなくなる!! 「ずっぎりざぜでよおおおおおおお!!」 だが14回を超えたあたりで少し飽きてきたのですっきりさせてやることにした 「「はあ・・・はあ・・・すっ・・すっきりーーー!!」」 そしてすかさず バタンッ!! 「ああーふとんがよごれてるーせんたくしなきゃー(棒読み)」 そういうと掛け布団でゆっくりを包み洗濯機の前まで持ってきた、よい子の皆は真似するなよっ? 「ゆ!?くらいよ!せまいよ!」 「ゆあああ!おがあざあああん!!」 「だれがだずげでえええええええ!!」 「もっとゆっぐりぢだいよおおおおお!!」 はい、オール無視ー 「そぉい!!」 洗濯機に掛け布団(+ゆっくり)を放り込みスイッチオン!! 洗濯機がガタガタいいはじめた 「いやー古い洗濯機は音がうるさくて不便だなー」 そういいながら俺は漫画を読み始める 「いやああああ!!だぢでえええええ!!」 「いだいよおお!!れーむのあんこがあああああ!」 「やっぱ古い洗濯機もいいなー、はっはっは」 「おにいざああああん!だじでええええ!!」 「あっ」 何を思ったか俺は洗濯機のスイッチを切りフタを開けた 「いやいや大事なこと忘れてたよ」 「ゆ゛・・・そうだよ!!まりさだちをだずけてね!!!」 「洗剤入れんの忘れてた」 そう言いながらおもむろに取り出した洗濯用洗剤(液体型)をゆっくりにかけてやる 「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!じみるよおおおおおお!!!」 「いだいよおお!!おじざんどおぢでこんなことずるのおおおおおおおお!!」 「洗濯開始ー」 スイッチを押し再度漫画を読み始める 「だずげでええええええええ!!」 「もういやああああおうぢがえるうううううう!!!」 「ばりざのかわいいおめめがあああああああ!!」 「おえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「ゆぎゃああああでいぶうううううう!!!」 ――10分後―― 「あーまりさとれいむ見っけー」 俺の指差した先には掛け布団に絡みついた髪の毛と二匹の髪飾りだけがくっついていた 残りゆっくり 16匹 残り時間 2時間35分 もちろん続く ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― こんにちはHILOです。今回がゆ虐SS初投稿なんですが・・・・ 初投稿で続編物なんて少し無謀だったかと今更ながら思っています それと多少修正を加えました この作品はもし自分の家にゆっくりがいたら自分ならどうするか、という視点で作っています お見苦しい点も多々あったと思いますが、どうか暖かい目で見守ってください では、 _,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_-''" `''> ゆっくりしていってね!!! <ヽ  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄ | ;ノ´ ̄\ \_,. -‐ァ __ _____ ______ | ノ ヽ、ヽr-r'"´ (.__ ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 'r ´ ヽ、ン、 rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,'==─- -─==', ir-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ レリイi (ヒ_] ヒ_ン ).| .|、i .||`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ !Y!"" ,___, "" 「 !ノ i |,' ノ !'" ,___, "' i .レ' L.',. ヽ _ン L」 ノ| .| ( ,ハ ヽ _ン 人! | ||ヽ、 ,イ| ||イ| /,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ レ ル` ー--─ ´ルレ レ´ その2 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1136.html
ゆっくり茸狩り 初SSの為読みにくいかもしれませんが、生暖かい目で見てやってください。 幻想卿にも秋がきた。この季節になると、全ての生き物は冬に向けての準備をする。 ゆっくり達も例外では無く、冬に備えて準備をする。 巣に越冬用の餌を溜め込むのはもちろんの事、ゆっくり自身も栄養分を溜め込む。 つまりこの時期のゆっくりは年間を通して一番栄養価が高く、その為に捕食される事も少なくない。 この栄養価の高い時期限定の秋の味覚がある。それを巷ではゆっくり茸と言う。 これは秋にゆっくりに生えてくる茸というモノではない。 ぶっちゃけてしまえばゆっくりアリスのぺにぺにである。 秋のゆっくりアリスも他のゆっくり同様に冬支度を行う。 しかし他のゆっくりと違う点は、すっきり貯めを行う点である。 冬になってしまえば春までは巣の中で篭っていなければならなくなり、その間は満足にすっきり出来ない為に 秋に思う存分すっきりしまくろうとする。その為秋のゆっくりアリスのぺにぺには、非常にしっかりしている。 ゆっくり茸は、心地よい歯ざわりと、上品な甘さで非常に美味なのだ。 ゆっくり茸を採集する為の道具だが、まず用意するものとしては、ボイスレコーダーと適当な袋があれば取りあえずは十分である。 がっつり採集したいのであれば、ゆっくりまりさを3~5匹程度持って行くと良い。 次に採集方法なのだが、まずはゆっくりアリスが多い山に行く。 その後ゆっくりの巣穴を発見したら、ボイスレコーダーを使用する。 このボイスレコーダーには、ゆっくりまりさのすっきり真っ最中の喘ぎ声を入れておく。 大音量で再生していれば、いつのまにか発情したゆっくりアリスが集まってくる。 既に臨戦態勢のゆっくりアリスばかりなので、少量だけ採集するのであれば適当に捕まえて採集すれば良いが、 ここでは大量に採集するやり方を行ってみる。まずはゆっくりアリス達に 「今日は素晴らしく都会派の君達の為にまりさを連れて来てあげたよ~。存分にすっきり!!していってね!」 とでも言ってまりさを群れに放り投げる。 そうすると当然アリス達はまりさに襲い掛かり集団ですっきりしだす。 数十匹もアリスがいる為、当然順番待ちの様になる。そこを狙って収穫を行う。 全てのアリスがまりさに気を取られている為、他のアリスまで気が回らないのだ。適当に捕まえて 「君のぺにぺには凄く立派だねぇ。ゆっくりの中で1番だよ!!」 と煽る。そうすると 「そ、それはそうでしょ!ありすはとかいはだからぺにぺにもとかいてきなのよ!!」 と良い気になる。 そのスキに根元からぺにぺにをねじ切る。一瞬の事にきょとんとするアリスだが次の瞬間 「あ゛ぁぁぁ゛~~~あ゛り゛ずの゛べに゛べに゛がぁああああ゛~!!!!!」 等の叫び声を上げる。 しかし周りはまりさに夢中の為気付かないので、もっと騒がれる前に投げ捨てておく。 ぺにぺにを褒める他には 「君達がすっきり出来なくて可愛そうだから、君達の順番になるまでお兄さんがすっきりさせてあげるよ!」 と言ってぺにぺにに触れる口実を作るのも良いだろう。 この様な感じで繰り返して行けば、あっと言う間に収穫が終わる。 一通り収穫を終えると、ぺにぺにが無くなり気絶したアリスと、集団すっきりにより蔦だらけになったまりさが残るが それらは潰すなり食べるなり殺すなりすれば良いだろう。 ゆっくり茸狩りは、ゆっくりの大量発生も抑えられるし、ゆっくり茸も美味しいし、ストレスの解消にもなるので、 みなさんも参加してみてはどうでしょう? ゆっくりを相手する自信が無いという方がいらっしゃる場合は、近所の鬼意さんに相談してみましょう!! きっと親身になって相談に乗ってくれるはずです! 読んでくれてありがとうございました! なんかぐだぐだになってますが精進して行きます。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/654.html
※これはfuku1783 ゆっくり腹話術(前)の続きになります 子れいむと親れいむを失い、残り四匹となったゆっくり一家の後を追う。 親れいむが人間に連れ去られたショックはあるものの、ゆっくり一家にあるのは悲壮感ばかりではなかった。 残ったものが死んでいったものたちの分までゆっくりしよう、という思いなのだろう。 「ゆぅ、おにゃかちゅいたね…………」 ポツリ、と子れいむが呟いた。 「「ゆぅ……」」 その言葉に賛同するように声を漏らす二匹の子まりさ達。 このゆっくり一家は食べ物を求めて人里にやってきたが、狙った食べ物にはことごとくありつけなかった上に死ぬかもしれない思いまでしている。 空腹は既にかなりのものになっていることだろう。 腹を空かせる我が子の姿を直視できないのか、なんでもいいから食べ物を探そうとしたのか、親まりさは視線をキョロキョロと辺りに飛ばす。 すると、 「お~い、ノブナガ~。メシだぞ~」 近くの民家から一人の老人が皿を持って外へ出てきた。 どうやら飼っている犬にエサを与えに来たようだ。 老人が犬小屋の前にエサを盛った皿を置くと、バネ仕掛けのおもちゃのように勢いよく一匹の柴犬が犬小屋から飛び出してきた。 ガツガツと勢いよく食べる飼い犬の姿を満足そうに眺めた後、老人は家の中へと戻っていった。 「「「……………」」」 視線をゆっくり達へ戻すと、案の定というか子ゆっくり達は羨ましそうに犬のエサを見つめ、口の端からはだら~、とよだれまで出ていた。 親まりさも私と同じくその姿を見たのか、 「ゆっ、まりさにまかせてね。いぬさんからごはんをもらってくるよ!」 そう子ゆっくり達に言い残してすぐさまその場を駆け(跳ね)だした。 本来は人里の美味しい食べ物を狙いにきたのだろうが、犬のエサまで狙うとは。 余程腹を空かせていたのだろう。 「ゆっ、おとうしゃんがんばっちぇね!」 「むのうなおかあしゃんとはちがうもんね!」 「いぬしゃんなんかぶったおちちゃえ!」 親まりさの背後からは子れいむや子まりさの声援。 その声援を受け親まりさは犬のもとへ向かう速度を更に加速させると、そのままの勢いで食事中の犬のどてっぱらに体当たりを仕掛けた。 「ゆぉぉぉぉぉぉ!!」 「キャウンッ!?」 突然のことに思わずよろめき、その場から退く犬。 それを自分の勝利と思ったのか、親まりさは子ゆっくり達に「みんな~、おいで~。ごはんだよ~」と呼びかけていた。 「やっちゃー、さすがおとうしゃん!」 「おなかちゅいたよ~」 すぐさま親まりさの元へ結集する子ゆっくり達。 そしてゆっくり一家は犬のエサが盛られた皿に一斉に殺到した。 「「「む~しゃむ~しゃ、ちあわせ~」」」 犬のエサといえど野生のゆっくりの常の食事に比べれば豪勢だ。 子ゆっくり達の幸せそうな顔を、子の幸せは我が子の幸せだという顔で見つめる親まりさだったが、自分も腹を満たさねばと皿のエサを食べようとするが 「バウッ!!」 犬の鳴き声に驚き飛び上がった。 「ゆっ、ゆっ!? び、びっくりさせないでね! これはまりさたちのごはんなんだからいぬさんはさっさと────い゛だい゛いいい!!!!」 親まりさは抗議の声をあげたが、犬に言葉が通じるわけもなく、頭の一部を噛み千切られていた。 噛み千切られ失った左半分の頭部からは餡子が漏れ出ている。 「ゆっ、おとうしゃん!?」 「おとうしゃんににゃにするのぉぉ!!」 「だめぇぇぇぇ!! にげてぇぇぇぇ!!」 親の仇だ、と犬に突進しようする子まりさ達を諌める親まりさの声に、この犬も人間同様敵わぬ相手と悟ったのか、すぐさま逃亡を図る子ゆっくり達。 親まりさも噛み付かれたが頭部は千切られていたため、すぐにその場を離れることができた。 だが、子れいむが一匹、逃げ遅れていた。 犬から一番遠い位置に居て、犬に突っかかろうともせずに逃走の体勢に入っていた子れいむ。 本来ならば真っ先に逃げられていたであろうが、子まりさが子れいむを踏みつけていったため逃げ遅れていたのだ。 「ゆっ~、まっちぇぇ!」 背後からは犬が外敵を排除せんと追ってきている。逃げ遅れている自分。 恐らく子れいむは最初に死んだ自分の姉妹のことを思い出していたことだろう。 しかし、ここで子れいむを殺してしまっては私の計画が狂ってしまう。 私は子れいむを踏みつけていった子まりさに狙いを定めると、『腹話術』を使用した。 「ゆっ!? 〝ガメラが飛ぶ時の回転数すごすぎぃぃぃぃぃ!!!〟」 『腹話術』をかけられた相手はその間気を失う。 つまり、気を失った子まりさの足は止まるということだ。 足の止まった子まりさを追い抜いていく子れいむ。 理由は分からないだろうが助かったので特に気にすることはないだろう。 「…………ゆっ!? なんでれいむがまえにいりゅ────ゆ゛ーーーーー!!!!!」 子まりさが気が付いた次の瞬間には、子まりさは犬に咥えられていた。 「いだいよ゛ぉぉぉぉ!!! おどうじゃんだずげでよ゛ぉぉぉ!!」 噛まれ、宙に浮く子まりさは泣き叫び親に助けを乞う。 しかし親まりさは無力である。ゆっくりが自分より体の大きいものに敵うはずもない。 「ゆっ、ゆっ……!」 犬は鎖に繋がれているため鎖の長さ以上の距離を逃げている親まりさ達は襲われることはない。 だが犬の行動範囲内に飛び込もうものなら今度こそ問答無用に殺されてしまうだろう。 子まりさを助けることは最早不可能だった。 「ゆ゛っ、ごべんね、ごべんねぇぇぇぇ!!」 親まりさは涙を流しながら子まりさを見捨てた。 残った子まりさと子れいむを連れて全速力でその場を逃げ出したのだ。 「ゆっ、おとうしゃん、まりさのいもうちょがぁぁぁぁ!!!」 「だめだよぉぉぉ!! みんなしんじゃうよぉぉぉ!!」 親まりさに咥えられた子まりさは犬に咥えられた子まりさを助けるよう求めるが、それは叶わぬ願い。 子れいむも子まりさを助けようとしたのかいくらか逡巡していたが、やがてどうやっても助けられぬと分かったのか去り行く父親達の後を追っていった。 「どぼぢでぇぇぇぇ!!! なんでまりしゃを……ゆがべぺ……ゆ゛っ!!」 助けられなかった子まりさは、身の程を弁えぬ所業と身内を蹴落とすという外道な行いの報いを受ける。 子まりさは少しずつ咀嚼されるという苦しみの中息絶えていった。 その死に顔は私の胸がすっ、とするほどの絶望と苦しみに彩られていた。 「…………くふっ」 思わず笑いが漏れる。 遂に半分にまで数の減ったゆっくりの一家はその歩を人里の中心に向けていた。 だが当人達は気づいてないだろう。ただ襲い来る脅威から逃げていただけにすぎない。 やつらは気づいていない。自分達から危険に近づいていることに。 「……ゆっ? おとうしゃん、いいにおいがするよっ!」 それまで俯いてしょこしょこと小さく跳ねていた子まりさがその場で嬉しさを表現するように跳びはねた。 言われ親まりさと子れいむもその場で立ち止まり鼻(?)をひくひくさせて臭いを嗅ぎ取ろうとする。 「ゆっ、ほんちょだ! おいちしょうなにおいがしゅるよ、おとうしゃん!」 「ゆゆっ、ほんとうだね! こっちからするよ! ゆっくりできるよ!」 それまで沈んでいた家族の間に笑顔が戻ってきた。 ゆっくり一家はその笑顔のまま臭いのする方へとぴょこぴょこと進んでいった。 だがゆっくり一家がその先で「しあわせ~」になることはないだろう。 ゆっくり達の向かった先、「いいにおい」の出所は、焼き鳥屋だった。 私もよく行く馴染みの店だ。 夜になると人間や妖怪達が一緒に酒を飲み騒いでいる。 今日も店の中からは様々な笑い声や上手そうな焼き鳥の匂いが漏れ出ている。 中の者だけではなく近くを通りかかった外の者まで陽気にさせる、私の好きないつもの雰囲気だった。 「ゆっ、ここからおいしそうなにおいがするよ」 「ゆっ♪ ゆっ♪ これでゆっくりできるね~♪」 パンドラの箱に残った希望を見つけた人間のような表情をしながら焼き鳥屋の方へと跳ねていくゆっくり一家。 焼き鳥屋の入り口は引き戸なのでゆっくりには開けられないかと思ったが、誰かが閉め忘れたのか若干開いており、そこに親まりさが自分の頬を突っ込んでむりやり戸をこじ開け入っていった。 私は店に入るか入るまいか若干迷ったが結局入ることにした。 「ゆ~♪ おいちちょ~♪」 中に入ると子ゆっくりが歓喜の声をあげていた。 店の者達は入ってきたゆっくりを気にもとめず(というか気づいていない)皆好き勝手に飲み騒いでいた。 まだ日が沈んでから一刻も経っていないというのに気の早い連中だ。 ぴょこぴょこと跳ねながらゆっくり一家はカウンター席の方へと向かっている。 私もゆっくりの後に続いてカウンター席へと向かう。 普通に歩いてはゆっくりを追い抜いてしまうから牛歩戦術だ。 ゆっくり一家はカウンター席の下まで辿り着くと、親まりさが空いている席の椅子へとジャンプした。 そして椅子からカウンターへと再びジャンプ。カウンターの上に乗った親まりさはカウンターの向こう側で焼き鳥を焼いている店主(私達は敬意と親しみを込めて〝マスター〟と呼んでいる)に向かってこう要求した。 「ゆ~、おじさん! まりさたちにもごはんちょうだいね!」 どうやらマスターが客に注文された酒や焼き鳥を渡すのを見て、マスターが食べ物をくれる人だと勘違いしたようだ。 「おぉう? なんだ、ゆっくりじゃねぇか」 親まりさにマスターよりも先にすぐ隣の席で酒を飲んでいた客が気づいた。 って、誰かと思えば飲み癖と悪食とロリコン趣味で有名なタケさんじゃないか。 流石に稗田家の当主はやめておいた方がいい、と今日こそ言うべきか? 「なんだ? 誰がゆっくり入れたのは」 タケさんが親戚のわんぱく坊主でも見るかのような反応を示したのに対し、マスターは明らかに不機嫌そうだった。無理もないか。 「いや、店の戸が半開きだったんですよ」 タケさんの隣の席に座り、誰かに濡れ衣が着せられる前に私がフォローに入った。 「おぉう、なんだ、お前がゆっくりを連れてきたのか? ……ゥィック」 「違いますよ」 やんわりと否定しておく。どっちかっていうとゆっくりが私を連れてきたようなものだ。 というかタケさんもう酔ってるんかい。 「ゆっ! ゆっくりむししないでね! さっさとまりさとまりさのこどもたちのためにごはんをよういしてね!」 見ると親まりさがその体を膨らませて怒っていることをアピールしていた。 それを見てタケさんがゲラゲラと笑い、マスターが更に不機嫌そうな顔になり、私の虐待エナジーが高まる。 「ちょうだちょうだ! さっさとまりしゃたちにごはんをよういしてね!」 カウンター席の下、タケさんの足元で子まりさも親に続き抗議の声をあげる。 タケさんがその声で子ゆっくりが居ることに気づき視線を下に向け 「おぉう、ちみっこもいるのか~」 と陽気に笑った。 …………決めた。 親まりさ、貴様を潰すのは後だ。 ここでは子まりさを潰す。 私は『腹話術』を、今度はゆっくりではなく、タケさんに向けて発動させた。 「〝おぉう、マスター! ちょいとこの子ゆっくり焼いてくれや!〟」 「「ゆっ!?」」 親まりさと子まりさが跳ね上がる。 私は『腹話術』をかけられ自分が注文したことを知らないタケさんに代わり、床にいる子ゆっくりを拾い上げた。 「ゆっ!? まりしゃをどうちゅるの! ゆっくりはなちてね!」 「はなちぇ~!!」 掴まれた子まりさがジタジタと身をよじり、側にいた子れいむがピタンと体当たりをしかけるが効果は無し。 なんの障害もなく子まりさは私からマスターへと手渡された。 「まったく、タケさんの悪食っぷりは相変わらずだねぇ」 マスターはそうぼやくだけで特に疑問ももたず子まりさの調理にかかった。マスターも馴れたものだ。 「まりさのごどもがえせぇぇぇぇぇ!!!」と私が子まりさを掴んだあたりから親まりさが騒いでいたが、タケさんが面白がって押さえつけていたので何もできていない。 マスターは子まりさを軽く水あらいして「ゆぐがぼべっ!!」、さっと振って水気を飛ばすと「ゆゆゆっ!?」、焼き鳥を焼く金網の上に子まりさを乗せた。 「あ゛ぁぁぁつ゛つづっっいいいぃいぃよおおぉぉ!!!」 ボロボロと涙を流す金網の上の子まりさ。零れ落ちた涙はすぐにジュッと蒸発する。 なんとか金網の上から逃れようとするもマスターが上から菜箸で押さえつけているため動けない。 「ゆぎゃ"ぁ"ぁぁ"!!!ま゛り゛ざのごどもがぁぁぁ!!いぎゃ"ぁ"ぁ"!! タケさんに押さえつけられている親まりさがカウンターで泣き叫ぶ。 ガハハハハハと笑いながらタケさんに押さえつけられている無力な親まりさは素晴らしい程に滑稽だった。 「ぶわっはっはっはっは」 とついつい私も笑ってしまう。 私のことを知らない他人が見ればどこの大根役者だと思うことだろうが。 「おどうじゃん、だずげでよぉぉぉ!!! いぎゃ"ぁ"ぁ"!! まりじゃのあぢがぁぁぁぁ!!」 金網の上で泣き喚く子まりさを、マスターは無慈悲に菜箸で転がす。 今度は顔面が金網のつく形になった。 「ゆ゙ーーっ゙!!! も゛う゛や゛め゛でえ゛えええ!!」 ハッキリ言って煩いが顔面を焼かれているためすぐに大人しくなるだろう。 もう一つのうるさい親まりさはと言うと 「グワッハッハッハ、なんだお前、頭ないじゃんぶわっはっはっは」 と欠けた頭部からタケさんに箸を突っ込まれ頭の中の餡子をグチャグチャにされていた。 「ゆ゛! ゆ゛! ゆ゛! ゆ゛…!」 なんだか白目を向いて痙攣していた。はっきり言って気持ち悪い。キモイじゃなくて気持ち悪い。 「へい、焼きゆっくり一丁!」 やがて子まりさが焼き上がり小皿に乗せられタケさんの前に置かれた。 「ま"り"ざのごどもがぢんじゃっだぁ"ぁ"ぁ"!!どぼじでごんなごとずるのぉ"ぉ"!!」 「あれ? 俺焼きゆっくりなんて頼んだっけ?」 「なんだい酔っ払いすぎだよタケさん」 「そうだよタケさん、酔いすぎだよ」 焼きゆっくりの注文は私が『腹話術』で頼んだためタケさんは覚えているはずがないのだが、マスターの言葉尻に乗って酔ったせいにしておく。 「んあ~、そう言われれば頼んだ気も…………でもいらねぇや」 タケさんはそう言って子まりさを掴むと床に叩きつけて草履の踵部分でグリグリとすり潰した。 その光景を子れいむは間近で見ることになったことに、私は気づいていた。 「あぁ、もう。やめてくれやタケさん、掃除するの俺なんだから」 「おっと、わりぃなマスター。代わりにもう一杯くれや」 「何が代わりなんだか」 「ゆぐ……ぐずっ……なんでごんなごどするのぉ……まりざのごどもがぁ……」 「なんだ、まだいたのかこのゆっくり」 「あ、私が外に出しておきますよ」 マスターの不機嫌が本気でヤバい段階にいきそうだったのでマスターに潰される前に私は親まりさを抱えて外に向かっていく。 もちろん子れいむも忘れずに足で外へと蹴飛ばしながらだ。 「飲みにきたんじゃないのか?」 「焼き鳥を家で食おうかな、と思っただけです。後でまたとりにきますから焼いといてください」 「あいよ」 成り行きで今晩の飯が決まった。 だが飯の前に、最後の仕上げだ。 ふっふっふっ、最後は私自ら手を下そうぞ。 どこのラスボスだよ。 私は親まりさを抱え子れいむを蹴りながら焼き鳥屋と隣の酒屋の間の狭い路地に入った。 その間親まりさを子れいむも子供のようにボロボロと涙を流し続けていた。 「さて、と」 子れいむを蹴飛ばすのをやめ、子れいむの脇に親まりさを置いた。 ゆっくりと視線を合わせようと、その場にしゃがみこむ。それでも私の方が視線が上だが。 「おいゆっくり。なんでこんなことになっているかわかるか?」 「ゆっ、ゆぐっ……まりざのごどもがぁぁぁ……」 「質問に答えろよクズ饅頭」 親まりさの口に拳を突っ込む。喉までだ。 そして体の奥底の餡子を一握り掴むと勢いよく引っ張り出した。 「ゆべぇぇぇぇぇ!!!」 叫び、咽る親まりさ。 その顔に親まりさの体から抜き出した餡子を叩き付け、もう一度問う。 「なんで、こんな、ことに、なって、いるか、わかるか?」 脳の足りないゆっくりにも分かりやすいように一語一語区切りながら。 それで流石に理解したのか親まりさは泣きながら答えた。 「ゆぶっ、にんげんだぢがまりざだぢのじゃまずるがらだよぉぉぉ!!」 「残念、不正解だ」 罰として今度は親まりさの歯を引っこ抜いてやる。 もちろん道具など使わない。素手だ。 左手で上顎を掴み、右手で前歯の一本(歯は飴だった)を情け容赦なく引っこ抜いてやった。 「ゆぼぉぉぉ!?」 「ゆゆっ、おとうしゃん!!」 それまで親まりさの後ろでガタガタ震えていただけの子れいむも恐怖を忘れて親まりさを心配する。 だが子れいむ。貴様は今は後回しだ。 「正解を教えてやるよ」 私はそう囁きかけながら引っこ抜いた歯を親まりさの右目にぐりぐりとおしつけてやる。 「ゆがっ、べぽ……ぜいがいっでな゛に゛ぃぃぃぃぃ!!!」 「お前らが身の程も弁えず人間の里に来たこと。それと家族を見捨てたことだ」 親まりさはその言葉でカッと目を見開く。何故知っているのかという顔だ。 だが今はそこを言及する場合ではないと分かっているのか、口にしたのは弁解だった。 「ゆっ、だっで、だっで、ごはんがもうないんだよっ! にんげんのごはんをもらわないといぎでいげないんだよっ!」 「それはお前等の怠慢だ」 罰として頬をちぎってやる。 「ゆ゙ーーっ゙!!! …………ぞ、ぞれに、みずでだわげじゃないんだよっ! あぁじないど、みんなゆっぐりでぎないがら、じがだがなかったんだよっ!」 「ほぉ、つまりお前は多数を助けるために少数を尊い犠牲としたと?」 「ゆ゛っ! そうだよ! まりさはかぞくをたすけるためにしかたなく────!」 私は親まりさの行動を思い返す。 確かに、親れいむほど悲しみに打ち震えていなかったが、子まりさほど死んだ者を罵倒してもいなかった。 子れいむの足を引っ張って死なせたのも子まりさだ。親まりさじゃない。 親のほうのまりさは、割といい親だったのかもしれない。 こいつの言い分を鵜呑みにするならば、必要以上に悲しみに暮れなかったのも、一家の大黒柱の責任故だったのかもしれない。 でもそんなの関係ねえ。 「でもな、まりさ?」 「ゆっ?」 「そのまりさが助けたようとした家族、子れいむ以外みーんな死んじゃってるけど?」 「ゆっ!? ゆゆゆゆっ……!」 私の言葉にガタガタを震える親まりさ。 気づいたのだ。多数を助けるために少数を犠牲と成すやり方で、助かったのは少数なのだと。 「で、でもっ! れいむはいぎで────」 「こんなクズな親のもとにいたられいむゆっくりできないから、この子は私がもらっていくね?」 「「ゆっ!?」」 それまで黙っていた子れいむまで驚愕する。 そんなゆっくりには構わず私は子れいむを掴むと着ていた服の懐に入れた。 くぐもった「ゆ゛っーーー!!」とした声がわずかに聞こえてくるが無視しておく。 「ゆ゛ぅぅぅぅ!! ゆっぐりやめてね!!! まりざのごどもがえじでね!!」 子供を取り返そうと飛び掛ってくる親まりさの顔面を掴んでやると私は立ち上がり、そのまま表まで歩いていった。 手の中で「ゆがぁぁぁぁ!! はなぜぇぇぇぇ!!」と親まりさが喚いている。 吐息が気持ち悪かった。 私は人里の中を親まりさを掴んだまましばらく歩く。 道行く人、妖怪が親まりさの叫びに気づいてこちらを見やるが、私がゆっくりを掴んで歩いているのを見ると「なんだ、ただの虐待お兄さんか」と視線を外した。 そして私は人里の中で、二つの通りが交差する場所まで来ると、親まりさを地面へと落とした。 「ゆべっ!?」 ずでん、と転がる親まりさを一回蹴った後、私は懐からさっきの子れいむを取り出した。 「ゆっ! れいみゅをかえちてくれりゅの?」 無視。 「さてまりさ。選ばせてやる」 「ゆっ、ゆっ、まりざのごどもをがえ────」 「黙れクズ饅頭。喋っているのは私だ」 まともに会話できそうにないので口元を踏みつけて黙らせた。 しばらく「ゆ゛ーーー!! ゆ゛ーーー!!」と身を捩じらせていたが私が足をどけないと分かると少し静かになった。 「さて、お前に選ばせてやる」 そういいながら手の中の子れいむを眼前に突き出してやる。 子れいむも煩いので指を口に突っ込ませて黙らせている。 「お前があくまでこいつを返して欲しい、と私に戦いを挑むのであれば、こいつは死ぬ」 「「────っ!?」」 ゆっくりの目が見開かれる。 「だが、お前がこいつの命を助けて欲しいと願うのであれば、私はこいつをゆっくりさせてやるし、お前も逃がしてやろう」 私はそこで足をどけてやる。 「ゆっ! おじさんほんと!?」 「おにいさんだクズ饅頭」 口に蹴りをぶち込み歯を二、三本折ってやる。 「あぎゃぁッああ!! …………ゆ゛っ、おにいさん、ほんどう? そのごゆっぐりざぜでぐれる?」 「ああ、もちろんだとも」 「このまままりざががえれば、そのごゆっぐりでぎるの?」 「その通りだ」 このやり取りの間、子れいむはずっと声も出せず泣いていた。 目の前で親が見るも無惨にやられている。 悔しいのか、悲しいのか。 私にとってはどちらでもどうでもいい。 ただ指にたれてきた涙の生暖かさが、こいつは〝私流〟にゆっくりさせてやろうと決意させただけだ。 私は親まりさの頭をつかむと後ろを向かせてやった。 「道が二つある。どちらでも好きな方へ行って帰れ」 そう言ってやると、親まりさはしばらくその場で悩んだ。 だが、答えはもう決まっているだろう。 「ゆ゛っ、わがっだよ。まりざはおうぢがえるよ。だから、まりざのごどもゆっぐりざぜてね?」 「ああ、約束だ」 「じゃあね…………バイバイ……」 そう呟く親まりさの語尾は尻すぼみに消えていった。 やがてとぼとぼと左右のうちの右の道から里の外へと向かっていく親まりさ。 私は子れいむの口を塞いでいる指を抜いてやった。 「ゆぐっ……! おとうしゃぁぁぁぁぁん!!」 親を呼ぶ子の声。 今生の分かれとなる親子の、最後の会話。 親まりさは子れいむの声に振り返ると、くしゃり、とその顔を涙で崩すと、精一杯の声で叫んだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 それで最後。 親まりさは子れいむの反応も見ずに全力で駆け出した。我が家へと。 親まりさの選択は正しかった。 命あってのものだねだ。 最後は二匹になってしまったが、全滅はしていない。 あの親まりさも私が見逃してやったことによって、やがてまた新しい所帯を持つことだろう。 この悲劇を教訓に、次こそゆっくりとした生涯を送るであろう。 次こそ、そう次こそ────。 「見逃してあげても、よかったんだけどねぇ」 君が悪いんだよ、まりさ。 私は選ばせてやった。〝どちらの道で帰るか〟を。 なのに君はそっちを選んだ。 あぁあ、なんてこったいまりさ。 君が逆の道を選んでいれば、幸せになれたかもしれないのに。 君が、いけないんだよ。 君がそっちの道を選ぶから 「君は、彼女へのプレゼントだ」 親まりさが選んだ道。 そこにはある伝統の家系の家がある。 幻想郷を見続けてきた、幻想郷縁起を編纂してきた名家。 稗田家が、ある。 全力で駆けるまりさが、稗田家の前に来た瞬間、私はまりさに『腹話術』をかけた。 「〝あっきゅうちゃ~~~ん。あっそびましょ~~~う〟」 おわり 子ゆっくりの運命は…… ───────── あとがきのようなもの コミックス版「魔王」最新刊五巻を読み終わった勢いで書いてしまいました。 そのため文体が安定していないかもしれません、申し訳ありません。 他に書いたもの:ゆっくり合戦、ゆッカー、ゆっくり求聞史紀、ゆっくり腹話術(前) このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/425.html
-初めに- このSSを読む前に“ゆっくり加工場”を読むことをオススメします。(加工場を書いたのは私ではありません) このまま“プチゆっくり魔理沙の生涯”を読んでもかまいませんが、以前私がUPした“ゆっくり霊夢の生涯” を読むと、内容が理解しやすいと思うのでオススメします。 ゆっくりに対する過激な虐待表現が含まれておりますので苦手な方は読まないほうがいいかと思います。 また、本編冒頭は前作と同時間軸の部分なので一部表現が同じ部分があります。ご了承下さい。 -本編- そのゆっくりの意識は暗いまどろみの中で何かを待っているかのように眠っている。 「ゆっくりしていってね!」 眠っていた意識が反応する。 「・・・ゆ、っゆっ、ゆっくりしていってね!」 そう言いながらそのゆっくりは目を覚ました。周囲では同じようにゆっくり達が目覚める。 「ゆっくり!」 「ゆっくりしていってね!」 周囲を見渡すと自分と同じゆっくりと自分とは違う形状の赤いリボンをしたゆっくりが複数いる。 ゆっくり達はここが何処だかわからずキョロキョロと周りを見回している。 その時、離れたところにある扉が開き一人の男が入ってきた。 「ゆっ!おじさんだれ?」 「ここはどこなの?」 ゆっくりが達が尋ねると男が説明をしてくれた。 ここがゆっくり達の繁殖施設であること。自分はゆっくり魔理沙で赤いリボンのゆっくりがゆっくり霊夢という こと。自分はたった今生まれたばかりであること。そして最後におじさんはこう言った、 「ここで安心してゆっくりすればいいよ。」 優しそうなおじさんの説明を聞いて自分を含め周囲のゆっくり達は素直に受け止め喜んでいた。 そしておじさんはお菓子をくれ、ゆっくり達はおなかいっぱいに食べ、ゆっくりと夢の中へ旅立っていった。 次の日、また男が部屋に入ってきた。ゆっくり達は歓迎する。するとおじさんがこう言った。 「今日はこの部屋にいる君達の半分を別の部屋へ移動させるよ。これだけの数がいると狭くて住み辛いだろうから ね。」 ゆっくり達は素直におじさんの言うとおりにすることにした。 そしてそのゆっくり魔理沙はおじさんについて行き、生まれた部屋を後にした。 部屋を出るとおじさんが、 「生まれた次の日に引越しなんてさせてしまってすまないね、お詫びと言ってはなんだがゆっくり専用のプレイル ームで遊んでみないかい?プレイルームって言うのは遊び場のことだよ。」 それを聞くとゆっくり達は、 「ゆっくり遊びたい!」 「おじさんやっさしい!」 「遊びたい!」 ゆっくり達はおじさんの提案を歓迎し、まだ生まれたばかりの小さな体を使いめいいっぱい跳びはねて喜んでいる。 そしておじさんはプレイルームのドアの前まで案内してくれた。その扉は先ほどの部屋のものとは違いゆっり達専 用なのか小さかった。 「さぁ、ここだ。ゆっくり楽しむんだよ。」 そう言っておじさんは扉を開けた。 ゆっくり達の目の前には、広い部屋が広がっていた。 ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねて中へ入っていく。扉を閉める際男は、 「しばらくすると別の部屋につながる扉が開くから中でゆっくりしていればいいよ」 「おじさんありがとう!」 「ゆっくりするよ!」 ゆっくり達は目をキラキラさせおじさんにお礼を言った。そして扉が閉められ鍵がかけられた。 プレイルームでゆっくり達は跳びはねたり、集団を作ってゆっくりしている。 しばらくすると上から液体のようなものが落ちてきた。そしてどこからかおじさんの声が聞こえる。 「やぁゆっくり達聞こえるかい?その部屋は適度な雨を降らせる部屋なんだ。その液体は安全なものだから安心す ればいいよ。」 ゆっくり達は初めて見る雨に興味があるようで、陽気に飛び跳ねて楽しんでいる。 「きもちいい!」 「ゆっくり!」 しばらくすると雨がやみ、入ってきたときと反対の方にある扉が開いた。 「さぁ、次のプレイルームに進むといいよ」 おじさんの声を聞くとゆっくり達はわくわくしながら次の部屋に進んだ。 ゆっくり達の体は入ってきた時よりきれいになっていた。だがそのことに気が付くゆっくりは一匹もいなかった。 次の部屋にすべてのゆっくりが入ると扉が閉まり鍵がかかった。 しばらくするとゆっくり達の体が宙に浮いた。 「ゆっくり!?」 「おっと、説明する前にスイッチを入れてすまないね。その部屋は床から風が吹き出して体が宙に浮くようになっ ているんだよ。危険なことはないから安心してゆっくりすればいいよ」 はじめはびっくりして戸惑っていたゆっくり達だったが、今まで跳びはねることしかできなかった体が宙に浮き、 とても楽しそうにしている。 「ゆっくーり」 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 しばらくすると風が止み、ゆっくり達はゆっくりと床に着地し、次の部屋への扉が開いた。 「もっとゆっくり浮かびたかった!」 「ゆっくりしたかった」 何匹かのゆっくり達は不満を漏らしたが、おじさんになだめられ次の部屋へ進んでいった。 先ほどの部屋でぬれたゆっくり達の体はすっかりかわいていた。 次の部屋へ進むとそこは一面の白い世界であった。ゆっくり達は初めて見るものを不思議そうな顔をしてい眺め ている。そしてまたおじさんの声が聞こえてくる。 「その白いものは雪と呼ばれるものだよ、その上で遊ぶととても気持ちがいいよ」 おじさんの言葉を聞くとゆっくり魔理沙が恐る恐るその白い世界へ入っていった。そして、 「サラサラしてとっても気持ちいいよ!みんなも来て一緒にゆっくりしようよ!」 それを聞くとた躊躇っていたゆっくり達は一斉に飛び込んでいった。 白い粉が一斉に宙を舞い、ゆっくり達を包み込んだ。ゆっくり達はそんなことは気にもせずに飛び跳ねて遊んで いる。しばらくするとゆっくり達は真っ白になっていた。そう、これは雪ではない。しかしゆっくり達は本物の 雪を知らないため、真っ白になっても何の疑問も持っていなかった。 「ゆっくり霊夢真っ白、真っ白w」 「ゆっくり魔理沙も真っ白w」 そして次の部屋の扉が開き真っ白になったゆっくり達は次の部屋へ進んでいく。 次の部屋にはいくつかのくぼみがあり、黄色い液体で満たされていた。またおじさんの声が聞こえる。 「この部屋は泥遊びの部屋だよ。部屋にあるいくつかのくぼみに泥が入ってるから泥まみれになるのもよし、飛ば しあうのもよし、好きに遊ぶといいよ」 そう聞くと好奇心旺盛なゆっくり魔理沙が先陣を切って泥だまりへとダイブした。衝撃で泥が飛び散り様子を伺 ていたゆっくり達に飛び散った。 「ゆっくり霊夢にあたったあたった!」 「ゆーーーー、ゆっくり魔理沙!」 泥のかかったゆっくり霊夢は負けじと泥だまりへダイブし、ゆっくり魔理沙に泥を飛ばす。これを見ていたほか のゆっくり達は続々と泥へダイブしていく。そして楽しそうに泥遊びをした。 しかし、先ほど体についた白い粉に黄色い液体がまとわりつき、次第にゆっくり達のうごきは遅くなっていった。 「うぅぅ、体が重いよ」 「動きにくいよ」 ゆっくり達は苦痛をもらす。その時次の扉が開きおじさんの声が聞こえた。 「次の部屋で体にまとわり付いたものが落とせるよ、さぁ行った行った。」 それを聞いたゆっくり達はこぞって次の部屋へ進んでいった。 ゆっくり達は次の部屋へ行くため重たい体で飛び跳ねながら通路を進んでいる。すると突然電気が消えた。 「なに?」 「どうしたの?」 ゆっくり達がわけがわからずその場で立ち尽くしていると、暗闇の中でなにやら音がした。そして体が急に転が りだす。今まであった床が傾き、坂となりゆっくり達は続々と暗闇の中へ転がっていく。 「ゆっくり止まってね!」 転がるのは止まったが部屋は真っ暗のままだった。ゆっくり達は困惑している。その時おじさんの声が聞こえた。 「さぁ最後の仕上げだよ」 そして電気がついた。 ゆっくり達は驚愕した。ゆっくり達は底が円形の吊るされた檻に入っている。そして下には熱気を発する薄茶色 の液で満たされた大きな入れ物があった。周囲には足場はなく、例え檻から出られたとしても逃げ道はなかった。 「今からゆっくり達が入っている檻の底を端からゆっくりと無くしていくからね。最後に残ったゆっくりは助けて あげてもいいよ」 ゆっくり霊夢はあまりの出来事に呆然としている。その時、 「ゆっくり落ちてね!」 あの好奇心旺盛だったゆっくり魔理沙がゆっくり霊夢に体当たりしたのである。ゆっくり霊夢はなくなった床か ら高温の液体の中へ落ちていった。そして悲鳴が聞こえてくる。 「あづいよぉぉぉぉぉ、だずげで!おでがいじばずぅぅぅぅぅ。」 そして次第に声は小さくなり聞こえなくなった。小さな檻の中で生き残りをかけた戦いが始まった。 初めは十分にあった床はどんどん狭くなり、そしてゆっくり達はどんどん落ちていく。時間がたつにつれて悲鳴 の量は増えていく。 「だづげでおねがい!」 「ゆっぐりできないよ!ゆっぐりでぎないよ!」 「おじさん!やざじいおじさん!お願い!」 ゆっくり達の哀願は届くことはなく次々と力尽きていく。 檻の中のゆっくり霊夢達はすべて落ちてしまった。ゆっくり種というのは頭はさほど良くないのだが、ゆっくり 魔理沙は悪知恵が働くらしく、さまざまな手を使い、たくみにゆっくり霊夢を下に落としていった。 「霊夢うぅぅぅぅ、もっとゆっくりしようよぉぉぉ」 ゆっくり魔理沙は涙を浮かべ霊夢に話しかける、 「魔理沙ぁぁぁ、私もゆっくりぢたいよぉぉぉ」 つられてゆっくり霊夢も涙を流す。そしてゆっくり霊夢が油断した瞬間! 「ゆっくり死んでね!」 ゆっくり霊夢へ体当たりをして穴から下へ落とすのであった。 普段は仲良くしているが、追い詰められると本来の性格が現れるようだ。 このように姑息な手段を用いて檻の中はゆっくり魔理沙だけになった。 そして床はどんどんとなくなっていく。ゆっくり達は気が付く。端から床が無くなるのだから中心にいれば助か ると。こうして檻の中心の取り合いが始まる。 「さっさとどいてね!」 「ゆっくりさせないよ!」 中心を陣取るために体当たりするゆっくり達 「もっとゆっくりさせてね!」 「ゆっく!ゆっく!ゆっくりさせてね!」 中心を死守しようとするゆっくり達 戦いに敗れたゆっくりは絶望の表情に涙を浮かべて下へ落ちてゆき、悲鳴を上げる。 そしてその檻の中は1匹のゆっくり魔理沙だけになった。下からは助けを請うゆっくりの悲鳴が聞こえてくる。 男の声が聞こえる 「どうやら1匹になったようだね。約束通り助けてあげよう。」 床が元に戻り檻の出口が開く。そして開いた檻の先に見える出口らしき場所から床が伸びてくる。 ゆっくり魔理沙は安堵する。 「やっと・・・ゆっくりできる・・・」 しかし伸びてきた床は檻の入り口まで届いていなかった。 「少し距離が足りないようだがそれくらいなら跳べるね、ジャンプして跳び移ってくれるかい?」 ゆっくり魔理沙は見た。檻の出口と床の間は約ゆっくり1匹分。簡単に飛べる距離であった。 ゆっくり魔理沙は最後の力を振り絞って飛んだ!目の前に床が見えた。これでやっとゆっくりできる。そう思っ た瞬間! ガコン 「ゆ!?」 何かに当たったゆっくり魔理沙は表現ができない表情を浮かべ涙を流し落ちていった。そして悲鳴を上げる。 「ゆっぐりぢだがっだよぉぉぉぉぉぉ」 周囲には自分が落としたゆっくり霊夢や魔理沙がプカプカと浮いていた。既に意識はない。それを見てゆっくり 魔理沙はさらに絶望するのであった。 「おじざん、やぐぞくどおりだずげでよぉぉぉ」 ゆっくり魔理沙が悲鳴を上げる、すると男は話し出す。 「残念だったね透明な板が設置してあってどうあがいても飛び越えられないんだよ。まぁいつものことだ、君を助 ける気なんて毛頭なかったんだよ。ゆっくり達を一気に落とすと油の温度が急激に下がってうまく揚げあがらない んでね、だから最後に残ったゆっくりを助けると言ったんだよ。そうすれば争い合ってゆっくりと落ちていくから ね。」 男は説明するがゆっくり魔理沙の意識は既に無くなっていた。 ゆっくり加工場に隣接する饅頭屋には長蛇の列ができている。 「いらっしゃい!いらっしゃい!今日は週に一度のゆっくり揚げ饅頭の販売日だよ!」 幻想郷の住民の間では今ゆっくり揚げ饅頭は一大ブームとなっている。 その列を見た金髪の女性は並んでいる住民にこの列はいったい何なのか尋ねた。 「おやまぁ、お嬢さん。ゆっくり揚げ饅頭を知らないのかい?」 「ゆっくり揚げ饅頭?」 「そうさ、そこの饅頭屋で売ってるんだ。見た目は少々アレだが味は抜群だよ。」 金髪の女性は試しに買ってみることにした。 一時間並びようやく買うことができた。 「ふぅ、やっと買えたわ。これでまずかったらあの饅頭屋ただじゃおかないわ」 一口ほおばる、 「こ、これは!」 おいしい、確かに並んで買うだけのことはあるとその女性は思った。 「あら?」 その饅頭をよく見ると、どこかで見たことがある顔がうっすらと見える。 そう、この恐怖におびえる顔はまさしく家で透明な箱に閉じ込めてあるゆっくり魔理沙であった。 「もし?この揚げ饅頭はあの饅頭屋で作っているんですか?」 自分と同じように揚げ饅頭を買った人間に聞いた。 「いんや、なんでもあの饅頭屋に隣接する工場で作っているらしいよ。まぁ作り方までは知らないがね。」 「どうもありがとうございます。」 家路に付く途中、その女性は独り言をつぶやいた。 「うふふふふ、いいこと聞いたわ」 金髪の女性は不敵な笑みを浮かべ森の中へ消えていった。 End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでいただきありがとうございます。 前作の“ゆっくり霊夢の生涯”で生き別れたプチゆっくりたちの結末を書かせていただきました。 もう気が付いている方もいらっしゃるかもしれませんが、今回のSSは宮沢賢治の注文の多い料理店をモチーフに 作成いたしました。まぁモチーフと違い料理されて食べられてしまうんですけどね^^;。 東方のキャラが0人というのは寂しかったので、勝手ながらアリスがゆっくり加工場の存在を知った時という設定 を入れさせていただきました。 作成するに当たり、改めて加工場を書いた方がいかに神がかっているかを痛感いたしました。 とりあえず頭の中に浮かんだネタは一通り出し切りました。 アイデアさえ浮かべば次回作を書きたいと思います。と言いながらも文章を推敲している間に紅魔館を舞台にした ゆっくりいぢめがなんとなく頭の中に浮かんできてしまいました。(もう病気ですねw) 私のような初心者が書いたSSでも読みたい!という人が一人でもいるならゆっくりですが書きたいと思います。 個人的には漫画を描きたいのですが、幼少の頃から画力が絶望的なのであきらめています;; 念のためゆっくり達が入った部屋の説明をしておきますね。 洗浄 → 乾燥 → 小麦粉まぶし → とき卵づけ → 揚げ ちなみにSSの通りに揚げ饅頭を作ってもおいしく出来上がるかは一切責任を持ちませんのであしからず。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5200.html
本編(未完) 永遠のゆっくり1 永遠のゆっくり2 永遠のゆっくり3(前編) 永遠のゆっくり3(後編) 永遠のゆっくり4 永遠のゆっくり5 永遠のゆっくり6 永遠のゆっくり7 永遠のゆっくり8(前編) 永遠のゆっくり8(後編) 永遠のゆっくり9(前編) 永遠のゆっくり9(後編) 永遠のゆっくり10 永遠のゆっくり11 永遠のゆっくり12 永遠のゆっくり13 永遠のゆっくり14 永遠のゆっくり15 永遠のゆっくり16 永遠のゆっくり17 永遠のゆっくり18 永遠のゆっくり19(前編) 永遠のゆっくり19(後編) 永遠のゆっくり20(前編) 永遠のゆっくり20(後編) 永遠のゆっくり21(前編) 永遠のゆっくり21(後編)
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/492.html
どこまでも晴れ渡った青空のもと、広い草原の上。8匹のゆっくり達がゆっくりとした時間を過ごしている。 まだ小さい赤ちゃんゆっくりが6匹、成体の、おそらく赤ちゃんゆっくりの親であろうゆっくりが2匹いる。 赤ん坊は全て霊夢種のゆっくりで、両親の愛情をうけていままでゆっくりと暮らしてきたのだろう。 野生種にしては肌に張りがあり、髪も艶がある。要するにとても健康なのだ。 満面の笑みを浮かべながら、「ゆっ♪ゆっ♪ゆっくり~♪」と跳ねながら歌っている。 子供たちよりも二回り大きい霊夢種と、その霊夢種より少し大きい魔理沙種の両親がそれを見守っている。 見守る親ゆっくりの表情もとてもゆっくりとした良い表情だ。 両親の髪には、昨日我が子が自分達のためにと採ってきてくれたタンポポが刺さっている。 自分の子供たちがゆっくりとしたやさしい子供に育ってくれたことが、彼らにはうれしかった。 「れいむたちのこどもいいこだね!」 目を細めてゆっくり親霊夢が言う。 「まりさたちのこどもゆっくりだね!」 親魔理沙もうれしそうに言う。 両親ともにやはりとても健康だ。 そう、私の娯楽に付き合うのに彼らは完璧だ。 長い間ゆっくりの家族たちを見てきたが、彼らほどお互いのこと思いあっているゆっくりの家族はそういるものではない。 彼らを私の素敵なパーティーに招くためには第一印象が大事だ。 できるだけやさしい声で、彼らに話しかける。 「やあ、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 種としての本能か、彼らはやはりゆっくりしていってね!!!と返してくる。 この反応で10日前にやった遊びを思い出す。 ふと、どんな状況でも「ゆっくりしていってね! 」と言えば「ゆっくりしていってね! 」と言い返してくれるのか実験してみた。 ゆっくりの足?かどうかはわからないが、底の部分をのこぎりでゆっくり切る。もちろんゆっくりは泣き叫ぶ。 「ゆっくりしていってね!」と言えば、 「つっづゆっづっりじていっべぇねぇ!!!」と、激痛の余りゆがめた口から、泣きながら「ゆっくりしていってね!」らしき言葉を話していた。 そのゆっくり霊夢は元の場所に帰してやったが、おそらくもう死んでいるだろう。 おっと、いかんな。今大事なのは目の前の彼らを私のパーティーに招くことだった。 「おじちゃんゆっくりできるひと?」 「おじさんゆっくりできるひとなの?」 おじさんかぁ…まあいい。私から溢れるダンディーな雰囲気から、お兄さんではいけないと考えたんだろう。 彼らが聞いてくる。驚いたことに、ゆっくりとだが私から距離をとり、まだ小さい子ども達の前に霊夢種と、なんとあの魔理沙種が立っている。 おそらく私が襲いかかってきたときに、子供たちを守り、子供たちを逃がすためだろう。 特に魔理沙種が子供たちを守ろうとする姿勢は私を感動させた。あの親兄弟子供さえ自分のためなら切り捨てる魔理沙種が! 彼らに会えたことを心の底から感謝しなければ!! 「うん、ゆっくりできる人だよ。ところでそこの君達、とてもきれいな髪飾りだね」 「「うんわたしたちのあかちゃんがくれたんだよ!!」」 「「「おかあさんたちにあげたんだよ」」」 親ゆっくりはうれしそうに、子供ゆっくりは誇らしげに私に向かってしゃべる。 髪飾りを褒めただけで警戒を解くところは、やはりゆっくりといったところか…。 「ところで君たち、ご飯を食べないかい? たくさん持っているんだけど一人で食べるには多いからね。一緒に食べよう」 「ゆっ!!ゆっくりちょうだい!」 「ゆっくりまってね!」 子供たちはうれしそうに駆け寄ろうとするが、親ゆっくり達に止められている。 彼らは少し疑わしそうにこちらを見ている。なるほど、毒を警戒しているのか? ゆっくりにしては賢い。相当修羅場をくぐりぬけてきたのだろうか? 「ははは、毒なんかはいってないから、心配せずに食べてごらん」 ニッコリ笑って風呂敷袋からおにぎりを取り出し咀嚼する、うんおいしい。やはりおにぎりの具は梅干しだ。 「うたがってごめんね!ゆっくりちょうだい!」 信用してくれたようだ、別の風呂敷袋からまた別のおにぎりを取り出す。具は特にない。 そしてなかには無味無臭の睡眠薬が入っている。 それを4個彼らに与える。 「うめぇ!めっちゃうめぇ!」 君達ね、君達の食べているおにぎりを私が食べたわけではないのになぜ毒がないと思うかな? まぁゆっくりだからしかたないか。 彼らが気に入ってくれたようでよかった。 人生最後の食事、いや饅生最後の食事なのだから、ゆっくり味わってほしいのだが、尋常ではないスピード食べている。 君達全然ゆっくりしてない、ちゃんと味わっているのか? すぐに彼らは食事を終えた。 親ゆっくりたちが子供の口に付いたご飯粒を取ってあげている、心温まる光景だ。 「おじちゃん!とってもおいちいよ!ありがとね!」 「おじさん!とってもおいしかったよ!ゆっくりしていってね!」 この家族に私は気に入ってもらったようだ、しばらく彼らと遊んだ。 遊ぶといっても、小さいゆっくりを持ち上げて立ってやるだけなのだが、いつもと違った景色にご満悦のようで、 「ゆっ!とってもたかいよ!」と喜んでくれる。 特におそらく末っ子の一番小さいゆっくりはこの遊びを気に入ったらしく、私の掌でとび跳ねながら 「ゆっ♪ゆっ♪ゆっ♪」 と喜んでくれている。 一番ちいさいのでちびゆっくりと呼んでもいいかと聞くと、 「ゆっ♪おじちゃん大好きだからいいよ」 といってくれた。かわいいゆっくりだ。 そうこうしているうちに薬が効いてきたのか、子供ゆっくりが眠そうだ。 「なんだかねむいね…」 それに気づいた親ゆっくり達は、家に帰ることにしたようだ。 「「おじさん!きょうはありがとね!ねむたいしきょうはおうちにかえるね!」」 親ゆっくりも少しは眠そうだ。体が大きい分薬の回りが遅いようだ。 このまま家に返してしまっては彼らをパーティーに呼ぶことができない。 「子供ゆっくりちゃん達も眠そうだし、そのまま帰るのは危ないよ。だからさ、今日は僕の家に来ないかい? 食事もあったかい寝床もあるし、気に入ってもらえるならそのまま君たちの家にしてもらってもいいよ」 「ゆっ!ほんと!」 「おじさんのうちにいくよ!ゆっくりつれてってね!」 すっかり私のことを信用してくれたようだ。 「うん、それじゃあちょっと狭いけどこの籠の中に入ってくれるかな? 家に着いたらたっぷりゆっくりさせてあげるよ」 ゆっくり達は何の疑いも持たずに籠の中に入っていく。 少しの間はゆっくりたちも私に話しかけてきた。 「ゆっくりできるおうちだったら!れいむたちのおうちだね!」 「とくべつにおじちゃんもすんでいいよ!」 しかし数分もすれば全て寝息になっていた。 私は鼻歌を歌いながら自分の家に向かう。 自宅につくと、地下室に用意したパーティー会場。 鉄製の箱で、蓋はしていない。ゆっくりたちが十分ゆっくりできるほどのスペースは無い。 そこに彼らを一匹一匹かごから出して置いていく。 あと数分もすれば目覚めるだろう。 それにしても良い寝顔だ。なんの心配もなくゆっくりとした表情で寝息を立てている。 親ゆっくり達を中心に、子供ゆっくり達が寄り添うようにして眠っている。 彼らは目を覚ませば、またゆっくりできると思っているのだろう。 「ゆっ~ん」 一匹起きたようだ。それにつられてかほかのゆっくりたちも起きてくる。 「ゆっくりねたね!」 「おはようおじちゃん!ゆっくりちていってね!」 「おうちについたね!ゆっくりするね!」 それぞれ思い思いのことを言いながら飛び跳ねている。 その彼らに、一匹一匹ポリタンクの中からうつしたバケツに入った、とある液体を刷毛でゆっくりの髪にぬりつける。 「ゆっゆ!きもちわるいよ!」 「なにこれ!つめたいよ!」 「こんなことしてゆっくりあやまってね!!」 「「はながよごれたよ!ゆっくりあやまってね!!」」 ゆっくりの両親が揃って抗議する。 鼻?普通髪を謎の液体まみれにされたことを怒らないのか?なぜに鼻? 鼻…はな…花…あっ!このゆっくり子供たちにもらった髪飾りが汚されたことを怒っているのか、 ふーん感動的だね。これからどうなるかも知らないで。 「ああ、ごめんね。君達に灯油を塗ったのはゆっくりするには大事なものだからなんだ」 「ゆっくりできるんだね!」 「はやくゆっくりしたいよ!」 「とうゆでゆっくりできるの?!」 「はやくとうゆでゆっくりしたいよ!」 ゆっくり達にとってゆっくりできると言えば、大抵のことを信じてくれる。便利な言葉だ。 まぁちゃんとした器具を使ってしかるべき使い方をすれば、冬場は家の中でゆっくりできるものだ。私の言ったことはあながち嘘ではない。 さて、準備は整った。それじゃあパーティーの始まりだ。 とりあえずマッチを擦ってみる。シュッ 一度で火がつかない…。 シュッシュッシュボ やっとついた。ニッコリ笑顔で、自分に一番なついてくれたちびゆっくりを呼ぶ。 「いちばんちっちゃいゆっくりからゆっくりさせてあげるよ」 他のゆっくり達からは抗議の声があがったが、順番にゆっくりさせてあげるというと納得した。 飛ぶようにこっちに向かってちびゆっくりが跳ねてくる。 ご飯をくれた、自分と遊んでくれた優しいおじちゃんが、自分を一番にゆっくりさせてくれる。 そう考えたんだろう、満面の笑みで素早く足もとまで来た。 「それじゃあゆっくりさせてね!」 私もニコニコ顔で答える。 「その前に少しの間目を閉じていてね。ほかのゆっくりたちもだよ」 すべてのゆっくりが目を閉じている。どの顔もとてもゆっくりとしていて、これから起こるゆっくりに期待している。 それを確認した私は、ちびゆっくりにマッチの火を素早く近づけようとする。 「ゆっくりはなれろ!!!」 薄目を開けていたらしいゆっくり親魔理沙が、マッチに向ってタックルを仕掛けてくる。 少し驚いたが遅すぎる、止まって見える。マッチの火が素早くちびゆっくりを炙る。 それまで幸せだった人生が変わる瞬間、私はそれがたまらなく好きだ。 火がついた瞬間。 「ゆぎゅぎぃぃいぃ!!」 大声を出して地面を跳ねまわるちびゆっくり。 その絶叫と甘い物が焼ける匂いに、素早くほかのゆっくりたちも目を開け、惨劇に驚愕する。 ちびゆっくりは大声で泣き叫んでいる。無理もない、頭を火ダルマにされているのだ...もっとも顔だけしかないが。 ともかく体に火が付いているのだ、苦しくて当然だ。 ほかのゆっくりたちは、 「れ゛ぇぇむ゛れ゛ぇぇむ」 姉妹の名を叫ぶゆっくり、 「はやくけして!」 私に助けを求めるゆっくり、 「ひぃっ」 あまりの出来事に一瞬息をのみ、 「じぃじぃのぜいでゆっづぐりできないよ!じねぇぇ!」 その後怒りの声をあげるゆっくり。 じじいとは失礼な!!老け顔だが20代だぞ!!! おっと、怒りで我を失ってはいけない。 そうこうしている間に、子供をゆっくりの両親が助けに行ったぞ。 ふふ、あとは椅子に座って見てるだけだ。 「あづぃぃよ゛!!おがぁざぁん!!!!」 熱さにのたうちまわる火ダルマの子ゆっくりを見ても、ゆっくり親霊夢もゆっくり親魔理沙は、まだ助けることができると信じた。 「「すぐたすけるよ!!」」 何とか体当たりでも何でもして火を消すのだ。 二人を突き動かすのは、わが子を助けたいという気持ちだった。 ほかの姉妹たちと違って、生まれてすぐにゆっくりしていってね!を言わなかった我が子。 しばらくして 「ゆっくりしていってね!」 と言ってくれた時はどれだけ安心しただろう。 この娘たちの中で一番小さいゆっくり霊夢は、とても優しくて、ゆっくりとした良い子に育ってくれた。 この二匹の親ゆっくりがつけている髪飾りを取ってこようと最初に提案してくれたのは、今火ダルマで苦しんでいるこの子なのだ。 二人のゆっくりは灯油が塗られた体で火をけすため、飛びつこうとした。その時。 火の粉が舞ったそれは、ちびゆっくりのより近くにいたゆっくり魔理沙の、ちょうどあのタンポポでできた簡素な髪飾りに降り立つ瞬間、燃え始めた。 「ゆ゛っまりさ!かみとぼうしが!!」 ゆっくり魔理沙は驚愕した、なぜ自分はいきなり燃えたんだ、 しかし理由など考えている場合ではない、頭が燃え始めているのだ。 しかも燃えているのは自分の帽子なのだ。 「ゆ゛ッ!!!!」 ゆっくり達にとって、帽子やリボンは仲間の識別に使われる、ある意味命よりも大切なもの。 なければ自分のことを仲間だと認識してもらえず、食われたり、いじめ殺される。 ゆえにその大事なものをとることなどできるはずがない。ちびゆっくりのことも忘れて必死になって火を消そうと地面を転がる。 ゆっくりとは思えないかなりのスピードだ。 しかしその分火の粉が飛んでしまう。 近くにいた二匹の子供にも火の粉があたり、一瞬で火ダルマだ。 「あっづいぃ!!あっっづぃぃぃ!!!」 「ア゛ッつ゛ィぃぃィ゛」 いつもそそっかしいゆっくりが、 世話好きのゆっくりが火ダルマになって飛び跳ねている。 ゆっくり母霊夢の頭にはだんだん事態が飲み込めてきた。 自分たちはこの”とうゆ”という危険な液体をかけられていて、火がついたものの近くにいると発火してしまう。 そしてじぶんの嫁であるゆっくり魔理沙や子供たちは、火の粉をまき散らしながら飛び跳ねている最悪の状態だ。 涙を流しながら叫ぶ。 「ゆっくりはなれて!」 もう火がついた子供を助けることなどできない。 現に最初に燃やされたちびゆっくりはもう動いていない。 火が付いてしまった以上、彼女たちは自分のかわいい子どもから、恐ろしい殺戮者に変貌してしまったのだ。 本格的におもしろいことになってきた。どうやらあの親霊夢は、自分たちが非常に危険な状態にあるということを理解できたようだ。 ゆっくりとは思えないほど賢いな、やはりこの家族を選んで正解だった。 焼酎とつまみを楽しみながらゆっくりをいじめる。 最高の娯楽だ。みんなが火ダルマになってダンスパーティーを楽しんでいる。 数時間前までは、ゆっくりした時間を家族と一緒に過ごしていたのに。 ものの三分で、大事な家族は自分を殺す凶悪な兵器になってしまったんだ。 いま彼らはゆっくりの反対、ものすごくいそいでいるんだろう。 「いそいでにげてね!」 彼らに私なりの声援を送る。 子供の中では一番大きなゆっくり霊夢は、一番臆病なゆっくり霊夢を引きずるようにして、元姉妹から必死に逃げている。 「ゆっくり!いそいでね!」 「ゆゅくり!いぃいそぐよ!」 あまりの恐怖に、顔面蒼白で体中を震わせながら、姉に言葉を返すゆっくり霊夢。 後ろからは姉妹がすさまじい絶叫を上げながら飛び跳ねてくる。 「ア゛ッつ゛ィいダぁイ!!」 声からして、おそらくいつも自分を助けてくれた姉の声だろう。 一度湖に行った時、大きな蛙に食べられそうになったときなど、 カエルに豪快なタックルを決めて追い払ってくれた。 その大好きな姉が、今や火だるまになって追いかけてくる。 少し離れたところでは、完全に体に火が燃え移ったゆっくり魔理沙が絶叫しながら飛び跳ねている。 後ろにはもう姉が来ている。 追いつかれるそう思った瞬間、とっさに体が動いた。 自分をひっぱて逃がそうとしてくれた長女をつかんで、後ろから来る火の玉にぶつけていた。 「ア゛ッつ゛!!」 「ぎゃァぁあいぁ!!」 火の玉は粉々に崩れたが、新しい火の玉が飛び跳ねている。 必死になってにげながら、「ゆっぐりじだぁい!!」 と泣き叫ぶ。しかしできるはずもない、すぐについさっき自分が裏切った姉の火で、自分も火の玉になる。 「ははははは、傑作だねこれは。」 まさに因果応報だ。 悪いことは出来ないものだ、やはり清く正しく生きなければ。 それにしても、思ったよりゆっくりは力があるな。 自分よりだいぶ大きいゆっくりに噛み付いて投げ飛ばすとは。 単に火事場の馬鹿力だったのだろうか。 しかしこれで残りは親霊夢と子霊夢だけだ。 部屋の中心でぶるぶる震える子霊夢を、母霊夢が必死に守っている。 実に感動的だ、髪飾りが落ちているのも満身創痍といった感じで面白い。 まわりでは元家族たちが大きな声で歌いながら、火の衣装を身にまとって踊り狂っている。 この素晴らしいダンスパーティーも終盤だ。 一つ今回の主役達に最後に言ってやろう。 「さいごまでゆっくりこわがってね!!」 元家族たちが、自分達の周りを絶叫しながら飛び回っている。 最後に残った自分の子供が 「みんなでゆっくりしたっかたよ!」 と泣きながら目をつぶって呟いている。 少し前までは、みんなで一緒にゆっくりしていたのに。過去の楽しかった思い出が胸を締め付ける。 涙を流しながら親霊夢も 「みんなとゆっくりできないよ!」 と叫ぶ。めのまえに大きな火の玉が来る。 四方から聞こえる、声にならない声。 火の粉がついに、自分の体につく。すさまじい熱が一瞬で体を包む。すべての思考が切り裂かれ、痛みが体を支配する。 「ゆぎゅぅぅ!!!」 何も考えず飛び跳ねる。否、考えられない。 体を動かさずにはいられない。 あの草原で、子供たちとゆっくりと楽しむため飛び跳ねていたころとは違う、 痛みで飛び跳ねている。何かが体にぶつかって、そこにさらに痛みが走る。また一つ火の玉が増えた。 その五分後、残ったのは八つの炭化した饅頭と、 一輪のたんぽぽだけだった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2836.html
※これはドキュメント番組のような感じです ※人間は殆ど関わりません ※描写薄いです ゆっくりプライド ゆっくりは生活環境によりその住む形態も大きく違うと言う。 一般的に広く知られているのは家庭を作り、子を育てながら冬を越すというものである。 他にも蜂のように働く階級が決められており、それに沿った行動をするという群もあるという。 そこで、他の地域のゆっくりを見てみることとする。 「ゆゆ、もうすぐあかちゃんうまれるよ!」 ここにいるのはすっかり大人になりにんっしんっしたれいむ。 子供が出来たため、群から離れたと見える。 その体は下に大きく膨らんでおり、いまにも子供がでてきそうである。 「あがぢゃん!ゆっぐりうばれでぎでね!!!」 大体にんっしんっしてから10日から20日位だろう、そろそろ子供が生まれるようだ。 すぽ、すぽん、すっぽーん 「「「ゆっきゅりちていってにぇ!」」」 体の下のほうがみちみちと開き、3匹の子供が生まれた。 生まれたのはれいむが2匹とまりさが1匹。 舌っ足らずだが元気よく挨拶をしている。 「ゆっくりしていってね!」 生まれた子供に優しく挨拶をするれいむ。 ここまでは良く見る光景である。 「それじゃおかーさんはごはんをとりにいってくるからゆっくりここでまっててね!」 「「「ゆっくちわかったよ!」」」 子供が生まれてすぐだと言うのに、このれいむは狩りをするというのである。 それもそのはず、周囲は多くの小形動物が多くおり、またゆっくりの天敵と言う天敵もないのだから。 そのため安心して食事を集められ、それをすぐに消費しても問題ないのだ。 「ゆっゆっゆ〜ゆっくち〜」 「ゆっくしちようね!」 「ゆっきゅりだにぇ!」 のんびりと過ごす子供達。 親が食事をくれて、夜は皆でぐっすり寝て。 子供達は思い思いにゆっくりしたり、じゃれあいながらすくすく育ち、親と同じ位の速さで移動できるようになった。 「それじゃ、そろそろゆっくりむれへもどるよ!」 「むれ?」 「みんなのおとーさんやおともだちがいっぱいいるところだよ!」 「おとーさん!あってみたい!」 「それじゃみんなでいこうね!」 「ゆっくりいくよ!」 こうしてこの親子は自分達の群に戻る。 「ゆっくりいくよ!」とか言いつつも全力疾走で戻っていくのだ。 子供が置いてきぼりになるかと思ったが、この親子は頑張って1匹も欠ける事無く群へと戻ったようだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」 お決まりの挨拶をする親子。 「まりさがむれのりーだーだよ!まりさはむれでいちばんつよいんだよ!」 「ごはんはみんながあつめておとうさんのところにもってくるんだよ!」 ここでは雄役のゆっくり1匹に対し多くの雌役ゆっくりが囲うという生活体系がある。 言い換えるならハーレムとでも言おうか。 このまりさが群の中に居る他のゆっくりをにんっしんっさせていると言う訳だ。 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 「「「ゆっくりしていってね!れいむたちのおとーさんもまりさなんだよ!!!」」」 この群にはとても沢山のゆっくりが集まっていた。 しかしそれでも取れる餌が多く、また他のゆっくりがすっきりしないためにそこまで爆発的な繁殖はしないようだ。 「ゆっくりしていってね!」 と、ここに来客のようだ。 やってきたのはありす種。 「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」 群のゆっくりがそれぞれ挨拶をする。 「ありすはこのむれのまりさとしょうぶしにきたのよ!」 「このまりさにいどむの?おお、むぼうむぼう」 ゆっくり同士の勝負が始まった。 とはいえその戦い方はいたってシンプル。 「ゆっくりたおれてね!ゆべっ」 「ゆっくりまけないよ!ゆびっ」 体当たりをお互い繰り返し、先に力尽きた方が負けである。 べちべちと体当たりの音が当たりに響き渡る。 周囲のゆっくり達は勝負の行方をただただ見守るばかり。 「これでとどめね!」 「ゆゆ…ゆっくりこうさんするよ……」 数十分にも及ぶ体当たり勝負の行方はありすの勝利で幕を閉じた。 「これでこのむれはありすのものね!!まけたよわいまりさはゆっくりしないでこのむれからでていってね!」 「ゆっくりわかったよ……」 群のトップは戦いを挑まれたら受けねばならず、それに負けたほうは群れを諦めなければならない。 元群のトップはすごすごと群から退散していった。 「さて、それじゃはじめないとね」 不敵な笑みを浮かべるありす。 1匹1匹の元へ挨拶をしている。 「きょうからありすがここのりーだーだからね!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 ありすの声に、群に戻ったばかりの子れいむが答える。 「あなたはあのまりさのこどもね」 「そーだよ!」 「げんきなおへんじありがと!ゆっくりつぶれてね!」 「ゆ?」 ありすが勢いよく跳躍する。 ぐちゃ。 子れいむはありすの下敷きになり、その短い生を終えた。 「ありすのこどもじゃないこはゆっくりでてきてね!」 この群では、群のリーダー以外の子供のゆっくりは全て潰されるのだ。 今回のようにリーダーが変わった場合は、子ゆっくり全てが殺されるという大虐殺が行われる。 「ゆわぁぁぁぁん!おがぁざぁぁぁぁぁん!!!!」 「どぼじでばりざをづぶずのぉぉぉぉ」 「ゆっぐじでぎないぃぃぃぃぃ」 次々と潰され、その度にありすに暴言を吐く子ゆっくり達。 「まりさがたおされたからしかたないよ、ゆっくりりかいしてね…」 「ちびちゃんのぶんまでゆっくりするからね…」 一方で悲しそうな目を向ける母親ゆっくり。 群の法則故致し方ないのだ。 そしてこのアリスは全ての子ゆっくりを完膚なきまで潰した後に、他のゆっくりに種付けを行う事になる。 そうする事で群を維持していく事になるのだからだ。 「ゆゆぅ…」 戦いに敗れたまりさは他の群を探す為に一人寂しく放浪する事になる。 元々雌役が狩りを行うこの場所において、雄役が生き残るには一刻も早く群を見つけてリーダーになるしかないのだ。 雄役は強くてなんぼなのだ、狩りが出来る出来ないはここでは関係ない。 そしてあまり虫を食べる事無く、お腹を空かせたまま遠くまで来てしまったようである。 「おなかへったよ…」 疲労困憊の上空腹となったまりさ。 「ゆぅ…あそこにおいしそうなものがはえてるよ…」 ふらふらと目に見える美味しそうなものに向かっている。 そこには何やら立て札があり、規則正しく作物ができていた。 そう、このまりさは人間の住処までやってきたのだ。 そして本能の赴くまま野菜に噛り付く。 「うめっ!めっちゃうめっ!」 その美味しさに一気に活力がみなぎってくるのをまりさは感じているのだろう。 一心不乱に野菜を貪っている。 元気になったらどこかの群を奪ってここを群の根城にしよう、なんて考えさえこのまりさには沸いてきているのかもしれない。 と― 「やれやれ…」 この畑の持ち主である男が現れる。 ゆっくりは普段はこの辺りまで来る事はないものの、時折こういったことがあるらしい。 男はまりさを摘み上げる。 「ゆ!しょくじをじゃましないでね!ゆっくりごはんをたべてるんだよ!」 「…これだから『害獣の王』とか呼ばれるんだよなぁ」 自らの要求を通そうとするまりさを、男は地面に思いっきり叩きつける。 べちゃ、という音と元々持っていたであろう訳の分からないプライドと共にまりさは物言わぬ塊と化した。 この地域ではゆっくりに『害獣の王』という不名誉な二つ名があるようだ。 場所や環境により、ゆっくりの生活方法は様々のようだ。 違う環境のゆっくりを取り替えて群に放り込んで見るのも面白いかもしれない。 生活に馴染むのか、それとも争いが起こりのけものにされるのか、はたまた群の仕組みを変えるだけの事が起こってしまうのか… 何にせよ、これだけいじるのに向いた存在もそうそう居ないだろう。 ※この番組では、様々な生活体系をもったゆっくりの情報を募集しております。 採用された方には― 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「だってよ」 「ふーん」 TVを見ながら会話をする2人の男性は酒のつまみに子ゆっくりを口に入れていた。 「全く持って不可思議な奴らだ」 「ま、話のタネ位にはなるかもな」 男達は今日も仕事帰りの疲れをゆっくりと癒すのだった。 あとがき 名前を今まで決めてませんでしたが、ムラッけ木槌と名乗る事にします。 ここでいうプライドはライオンの群(プライド)の見立てとまりさのズタズタに引き裂かれたプライドの事です。 周辺に天敵が居ないっていう設定はよく見ますがそこをライオンのそれに置き換えてみて… そしたらゆっくりできない逃れの同属殺しがあったものです。 ライオンに関わらず同属殺しの麗は多いですしね、ハムスターとか。 今まで書いたもの 博麗神社にて。 炎のゆっくり ゆっくりを育てたら。 ありす育ての名まりさ 長生きドスの群 メガゆっくり ゆっくり畑 益ゆっくりと害ゆっくり ゲスの行き着く先 つかれたまりさ 噂・ゲスの宿命 ゆっくりすること 決断 くっつくよ!!! ゆっくり勝負
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/110.html
ゆっくり教 3KB 注意 ※地方によって著しく生態が違うゆっくり(場所によっては何も食わなくても平気で生きられるゆっくりが居る事もある)が居る世界の話です 19××年。 ゆっくりが何処からともなく世界に現れ、人々を困惑させた時期。 「これで金儲けできるんじゃね?」 一人の若者がそう考え、その考えを実行に移した。 『ゆっくりは神の御使いであり、ゆっくりが目で見た物、耳で聞いた事の全てが神に伝わっています』 ゆっくり教なる新興宗教が日本の何処かで出来上がった。 聖書をパク……若者なりの解釈をして、ゆっくりを混ぜ込んだ奇怪極まる宗教。 そのパク……引用して作り上げられた、ゆっくり教の有名な言葉を一つ挙げよう。 『ゆっくりに見せるために、ゆっくりに善行をするよう気をつけなさい。そうでないと、天に居られる我等が神から、報いが受けられません』 ゆっくりをゆっくりさせれば死後に天国に行ける、との因果関係が不可解な教え。 だがこれが流行した?何故か? まだ世間によく知られていない摩訶不思議なゆっくりの生態に加え、日本に終末論が流行っていた事もあったのか? 熱病に冒されたように、ゆっくり教は信徒を増やした。 …………………… 何処かの街にある一つの建物。 ゆっくり教団が構えている教会の一つである。 外から見える部分は簡素で、中から見える所も簡素、取り柄と言えば大きさだけな建物。 中では一人の男性信者が数匹のゆっくりに供物捧げていた。 「そろそろ時間ですね、ゆっくり様。お受け取りください」 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~」 男性信者のゆっくりに対する供物は、ゆっくり教が教える基本的な善行の一つだ。 供物を与えられ、笑顔で食べるゆっくりと、それを笑顔で見る信者。 そこに…… 「ゆはぁゆはぁ…ここがゆっくりきょうかいだね」 「ゆへぇゆへぇ…ここならゆっくりできそうだよ!」 れいむとまりさが現れた。 ゆっくりにしては辛い長旅だったのだろう。息を荒げて疲労困憊の様子である。 ゆっくり教を聞いてやって来たゆっくりなのだろう。 荒げていた息を落ち着けると、信者の目の前にぽよんぽよん跳ねて来た。 「これはこれは…ゆっくり様、遠くからお出で頂……!?」 にこやかに対応しようとした信者の顔が凍り付いた。 原因はまりさの帽子から現れた子ゆっくり達である。 「れいみゅおにゃかすいちゃよ」「おにいしゃんのおうちにもどらにゃいの?」 「いまからあまあまをもらうからなかないでね」 あまあまをもらうと聞いて、表情を更に険しくする信者。 それに気付かぬ母れいむは、愚図る子ゆっくりに優しく語り掛ける。 父まりさは安心させるように子ゆっくりの顔を舐めようとして――― 「なかないでねおぢ!!!???」 信者に踏まれた。 強烈なストンピングに内容物の半分が噴出。床に盛大に餡子を散らしながら絶命。 突然のあんまりにもあんまりな攻撃に、母れいむが絶叫しようとした所を。 「悪魔め!この世から去れ!」 激した信者の言葉と共に踏まれ、父まりさの後を追う事となった。 「ぴゃぴゅ!?」「れいみゅぴゃ!!?」 最後に何かいえた子ゆっくりも親と一緒に床の餡子になった。 「ゆっくり達を真似た悪魔め!地獄で永劫の苦しみを味わえ!」 床に転がる餡子の残骸に吐き捨てると、信者はモップとバケツを取りに行くためその場を去った。 …………………… 来るゆっくりは全て拒まず受け入れる。 それがゆっくり教会だが、例外もあり…… ゆっくり教では、子を産むゆっくりの存在を認めていない。 ゆっくり教の教えでは、神が遣わしたゆっくり達は単体で完結しており、増える事が無ければ減る事も無い。 それに、人間の行いを見て聞くだけのゆっくりは、人間に向かって何かを要求する事も無いのだ。 それから外れたゆっくり達は、ゆっくり教の中では悪魔として定められている。 「ゆっくりを騙り人間を堕落させる存在」 あのゆっくり親子は、その例外だったのだ。 ―――――――― 信者はゆっくりが売られているペットショップを、世界中に悪魔をばら撒いてる所だと認識。 ペットショップにペンキをぶちまける過激派もいるそうな。 前作 『ふたば系ゆっくりいじめ 84 暇人二人の旅行』 『ふたば系ゆっくりいじめ 79 暇人二人のゆっくりいじめ』 『ふたば系ゆっくりいじめ 64 酷い暇潰し』 【ふたば系ゆっくりいじめ 58 ドスまりさがぶっ殺される話】 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 原始ゆっくりが居るのか!? だったら崇拝者がいるのも分かるなww -- 2018-01-24 14 17 14 なかなかイイ新興宗教だww -- 2014-03-18 18 28 25 こいつら迷惑な集団だな -- 2012-12-12 21 44 55 ある意味すげぇwwwww -- 2011-12-23 10 13 46 すごい世界だな -- 2011-05-28 15 13 59
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4562.html
ペットショップネタ 読みづらいのはいつものこと れいむはれいむお母さんから生まれた。とてもゆっくりしていてお歌も上手だった。 お姉ちゃんや妹もたくさんいてみんなと遊んだり、ご飯を食べたりするととてもゆっくりできた。 このままずっとゆっくりしていたい。 でもそれは突然終わりを告げた。 朝になってれいむが目を覚ましてお決まりの「ゆっくりしていってね!」というとてもゆっくりできる挨拶をすると 近くにいた姉妹たちも目を覚まして「ゆっくりしていってね!」を返す。 でもその日はいつもと違い、お母さんの「ゆっくりしていってね!」はなく、辺りを見回してもお母さんはいなかった。 頑張って探しても見つからない。れいむは寂しくて、ゆっくりできなくて泣いてしまった。 その時、お兄さんがお部屋に入ってきた。いつもれいむたちにゆっくりできるご飯をくれる人間さんのお兄さん。 お兄さんならお母さんがどこにいるか知ってるかもしれないと思い、れいむはお兄さんに尋ねた。 「れいむたちはこれからもっとゆっくりするために、お母さんから離れてここで暮らすんだよ」 そんなことはない、お母さんと一緒にいればゆっくりできる。だからお母さんに会いたい。そうお兄さんに伝えても 聞いてくれなかった。 「あっちを見てご覧」 お兄さんが指差した方にはれいむたちよりも大きいれいむが「ゆっくりしていってね!」と言っていた。 だがそれはれいむたちにむかって言った言葉ではない。そのれいむは透明な壁さんの向こうにいる人間さんに必死に 「ゆっくりしていってね!」と言いながらぴょんぴょん跳ねていた。その様子はゆっくりできているとは思えなかった。 お兄さんはあのれいむを指差しながら 「ゆっくりできるゆっくりには飼い主さんが現れてもっとゆっくりすることができるんだ。だから みんなはゆっくりできている姿を見せてあげてね」 もっとゆっくりできる、その言葉にれいむは敏感に反応した。きっとたくさんのあまあまが食べられる、 ぽかぽかしてふわふわなベッドがある、そして綺麗なゆっくりと一緒になって赤ちゃんをたくさん産んで もっともっとゆっくりできるに違いない。れいむは目を輝かせバラ色の生活に胸を躍らせた。 もっとゆっくりしたい、そうと決まったられいむは我先にと透明な壁さんの向こうにいる人間さんに れいむがいかにゆっくりしているかを教えなければと、れいむは透明な壁さんの近くで一生懸命 「ゆっくりしていってね!」と言った。 お兄さんは大きいれいむを抱えてお部屋を出て行った。きっとあのれいむは飼い主さんが現れたのだ。 次はれいむの番だよ!「ゆっくりしていってね!」 月日は流れ、れいむは今日も向こうにいる人間さんに「ゆっくりしていってね!」と挨拶をする。 周りにはれいむのお姉ちゃんも妹も誰一人としていない。みんないなくなってしまった。きっと今頃は 飼い主さんと一緒にゆっくりしているに違いない。でもまだれいむの飼い主さんは現れない。 「ゆっくりしすぎだよ……れいむもゆっくりしたいよ……」 もう何回寝たかもわからない。それでも飼い主さんは現れない。れいむはこんなにゆっくりしているのに、 どうしてれいむにだけ飼い主さんが来てくれないの?お兄さんに尋ねてもわからないと言われた。 でも今日はいつもと違った。お兄さんがご飯ではなく、たくさんの小さいれいむたちを抱えてきた。 みんな眠っていてとてもゆっくりしている。でもれいむには関係ない。早く飼い主さん来てね! 透明な壁さんの向こうの人間さんにれいむがゆっくりしていることを教えてあげることに集中する。 やがて小さいれいむたちが目を覚ます。関係ない。「ゆっくりしていってね!」 お兄さんが何か言っている。関係ない。「ゆっくりしていってね!」 小さいれいむたちが透明な壁さんの向こうの人間さんに「ゆっくりしていってね!」と言い始める。 れいむも負けじと叫んだ。「ゆっくりしていってね!!」 その時すっとれいむの体が浮いた。「おそらをとんでるみたい!」と自然と声が出た。 気付くとお兄さんに抱きかかえられていた。しばらく考えて思い至った。 やった!ついにれいむにも飼い主さんが現れたんだ!れいむは舞い上がった。 でもゆっくりしすぎだよ!だからその分、たくさんゆっくりしようと考えた。 まず何をしようか、たくさんのあまあまさんが食べたい。その次にふわふわしたベッドで お昼寝しよう。そしてとてもゆっくりしたゆっくりと一緒に赤ちゃんを作ってゆっくりするんだ。 れいむはこれからの生活を思い、喜びに満ち溢れていた。 そしてさっきとは違うお部屋に入った。まず暗い、なんだかゆっくりできない気がする。 「ご飯だよー」 「ゆゆっ?ごはんさんはいらないよ!かいぬしさんのところにつれていってね!」 「あまあまだよーいらないのー?」 あまあま!欲しい!きっとお兄さんはれいむのお祝いのためにあまあまをくれるんだ! それならそうと言ってくれればいいのに、「ちょうだいね!」と言おうとして固まった。 「うーうー♪あまあまー♪」 初めて聞く声なのにとてもゆっくりできない声。その声はれいむよりも上にある木のおうちからした。 そしてそこからピンクのお帽子、ニコニコと笑った顔、そして後ろにはゆっくりしてない黒い羽。 「れ、れ、れみりゃだー!!!」 自然と口から出た。はじめて見るはずなのに。でも体は勝手に動いた。お兄さんの腕から飛び降りて 部屋の隅に逃げる。 「あのれいむ食べていいよ」 「なにいっでるのおおおお!?」 「うー!」 れみりゃがこっちに来た。逃げなきゃ、さっき入ってきた壁さんに急いで跳ねた。でも開かなかった。 「どおじであがないのおおおお!?」 「うーうー」 「ごっぢごないでねっ!ゆっぐりじででっでね!?ゆっぐりじででっでね!?」 ゆっくりしていってね、これでゆっくりしないはずがない。でもれみりゃは止まらなかった。 「ぎゃおーたーべちゃーうぞー♪」 「おにいざんだずげでええええ!!ゆぎゃああああ!!」 お兄さん、いつもご飯を持ってきてくれるお兄さんなら助けてくれるはず。でもお兄さんは何も答えなかった。 れみりゃがれいむに噛み付いた。痛い、ものすごく痛い。こんなこと生まれてから一度もなかった。気が狂いそうだった。 「がいぬじざああああんんんん!!れいむをゆっぐりざぜでええええ!!」 飼い主さんに助けを求めた。飼い主さんはれいむをゆっくりさせてくれるんだ。呼べば必ず来てくれるはずだ。 だが来なかった。 「どおじでええええ!?れいむはごんなにゆっぐりじでるのにいいいい!!」 ゆっくりしてるれいむがゆっくりできないはずがない。なのにどうしてこんな目にあわなければならない。 れいむはこれからたくさんのあまあまを食べて、たっぷり寝て、綺麗なゆっくりと一緒になって、 それから、それから……なんだっけ?もう思い出せない。餡子さんいっぱい吸われちゃったせいかな。 「もっと…ゆっくり…したかった…」 れいむはゆっくりできないまま、絶望と苦痛の底に沈んだ。残ったのは何の表情も浮かず、 何も語らない皮だけであった。 れいむの餡子を全部吸い尽くしたれみりゃはご満悦な表情でれいむの成れの果てから口を離し、 巣である木箱の中へと戻っていった。これだけたくさん食べたのだからもう食べられないのだろう。 まだ食べてもらわなければならないゆっくりはいるのだが次の食事まで待つことにしよう。 このれみりゃは売り物にならないれみりゃだった。一緒に生まれた姉妹たちはゆっくり以外のものも 喜んで食べていた。だがこのれみりゃだけはゆっくり以外を口にしようとしない。ゆっくりを毎回の 食事にしていては食費でとんでもないことになる。ペットとしては失格だった。 だが幸いなことにうちはペットショップであり、廃棄されるゆっくりは毎日のようにでる。 これはあまり綺麗ではないから、これは声が悪いから、これは帽子の形が悪いから。しかし捨てるには 店のイメージダウンになるから普通のゴミに捨てるわけにはいかない。しかたなく業者に頼むが 金がかかって仕方ない。そこでこのれみりゃに処分してもらっているのだ。 あのれいむは子ゆっくりとして売り出した内の一匹だったがその中でも群を抜いて駄目なやつだった。 なんと言うか他人を見下すような態度を取っていたのだ。しかもそれを自覚していない。 こんなのでも欲しがる人はいるかもしれないと思ったのだがやっぱり駄目だった。 ゆっくりしたいという気持ちが面に出すぎていてゆっくりさせることができていなかったのだ。 ただ飯食いの役立たずだったな、と思うがパチンコで負けたと思えばそこまで懐は痛くない。 部屋に箱を持ってきて中身を取り出す。今日追加した子ゆっくりの中で駄目だと思ったのを 抜き出してれみりゃに食べてもらうためだ。腹が減れば勝手に食べてくれるだろう。 「ゆっくりしていってね!」 声をかけてやると皆一斉に「ゆっくりしていってね!」と返す。 残り数時間の生だ。最後までゆっくりするといい。扉を閉めてその部屋を後にした。 終わり ペットショップは全部が全部売れてくれるわけではないのです。 じゃあ売れ残りはどうなるのか?などと考えて書いてみました。微妙。 『オマケ』でした。 このSSに感想をつける